会議室などの場所を貸し借りするプラットホームを運営するスペースマーケットは、IT機器とSaaSの統合管理サービス「ジョーシス」を導入した。同サービスを運営するラクスルグループのジョーシスが6月29日に発表した。
ジョーシスでは、従業員にひも付けたIT機器とSaaSの台帳管理や、入退社に伴うSaaSアカウントの発行・削除、退職者の削除漏れアカウントの検知など、さまざまなコーポレートIT業務をクラウドで一括して実行できる。
2019年に上場したスペースマーケットは、企業の成長とともに従業員が増える一方、退職による従業員の入れ替わりがあった。そこで課題になったのは、メンバー変遷に伴うIT資産管理の煩雑化だという。
業務や部署ごとに利用しているSaaSが異なり、さらに情報システム管理の専任者が在籍していないため、管理部門や各部署でそれぞれ管理する状態が続いていた。特に業務の負担になっていたのは、セキュリティ上、退職者に対しての削除を漏れなく行うことだという。退職者が利用していたSaaSを把握し、ダッシュボードで一つ一つ作業をする必要があった。
セキュリティの面でも安心な管理体制を整えることが必須だと考えていた中、実際の運用や使い勝手の良さからジョーシスの導入を決めたという。
アカウントの発行や削除が効率的にできる点は、運用する側として大きな評価になったという。また、導入を検討する中で、ジョーシスの担当者はドメイン知識が豊富で、オペレーションを研究した製品を作っているという印象を受けたという。SaaSだけでなく、コーポレートITに焦点を当てていることも評価につながった。
導入後、従業員からは「アカウントの発行や削除を一括で処理できることで漏れなく管理できるようになり、入退社の管理が3分の1程度に削減できたように感じた」という反応を得られたという。また、コーポレートIT業務の心理的負担を軽減できたという意見も寄せられたという。