「Linux」は、人々が思っているよりもはるかに簡単だ。実際に、現在のLinuxは、地球上で最も簡単なデスクトップおよびサーバーOSの1つである。どうしてそのようなことが言えるのだろうか。まず、現代的なLinuxディストリビューションでは、ユーザーはコマンドラインインターフェースに一切触れる必要がない。そう、「macOS」や「Windows」を使用する場合と全く同じように、ポイント&クリック式のGUI内で、必要なすべてのことを実行できる。本当に、それほど簡単なのだ。
巧みに設計されたGUIツール内からすべてを実行できるのは事実が、ターミナルを使用する必要(または、単純に使用したい気持ち)が生じる可能性もある。例えば、デスクトップ環境のないサーバーとしてLinuxを展開した場合などだ。ウェブサーバーやファイルサーバー、メディアストリーミングプラットフォームなどを展開するために、家庭内LANにLinuxサーバーを配置したい人もいるはずだ。その場合は、コマンドラインからアプリケーションをインストールする方法を知っておく必要がある。
例えば、クラウドベースのコンテンツ管理およびコラボレーションプラットフォーム「Nextcloud」をインストールしたい人もいるかもしれない。あるいは、ウェブサイト全体を最初から構築して、「Apache」ウェブサーバー経由で公開したい人もいるだろう。完全なLAMP(Linux、Apache、「MySQL」「PHP」)スタックをサーバー上に展開したい、という人もいるかもしれない。
理由が何であれ、それらのアプリケーションをコマンドラインインターフェース(CLI)からインストールする方法を知っておく必要がある。本記事では、その手順を紹介する。LAMPスタックの例を使って、「Ubuntu」「AlmaLinux」「Arch Linux」「openSUSE」(これで、ほとんどのディストリビューションに対応できるはずだ)でそれを実行する手順を説明したい。
それでは、具体的な方法の説明に移ろう。
LAMPスタックをUbuntuベースのディストリビューションにインストールする
最初は、ユーザーフレンドリーなUbuntuディストリビューションでの手順を説明する。Ubuntuは、「Advanced Packaging Tool(APT)」パッケージマネージャーを使用しており、完全なLAMPスタックを極めて簡単にインストールすることが可能である。インストールを実行する基本的なAPTコマンドは、以下の通りだ。
sudo apt install PACKAGENAME -y
PACKAGENAMEは、インストールしたいソフトウェアの名前だ。インストールを実行する前に、まず以下のコマンドで、APTを更新しておいた方がいいだろう。
sudo apt update
APTの更新が完了したら、LAMPスタックのインストールに進もう。LAMPスタックのUbuntuへのインストールに関しては、便利な小技がある。単純な1行のコマンドを実行するだけで、すべてをインストールできる。そのコマンドは、以下の通りだ。
sudo apt install lamp-server^ -y
このコマンドを使いたくない場合は、パッケージを個別にインストールすることが可能だ。まず、以下のコマンドでApacheウェブサーバーをインストールする。
sudo apt install apache2 -y
次に、以下のコマンドでMySQLデータベースサーバーをインストールする。
sudo apt install mysql-server -y
その後、以下のコマンドで最新バージョンのPHPをインストールする。
もちろん、先に紹介した1行のコマンドですべてをインストールする方法を選択しても構わない。
LAMPスタックをAlmaLinuxにインストールする
AlmaLinuxは「Red Hat Enterprise Linux」ベースのディストリビューションであり、インストールの際は、各パッケージを個別にインストールする必要がある。
まず、以下のコマンドでウェブサーバーをインストールする。
sudo dnf install httpd -y
次に、以下のコマンドでMySQLデータベースサーバーをインストールする。
sudo dnf install mysql-server mysql -y