海外コメンタリー

Google Cloudが語る、クラウドで守る顧客のサイバーセキュリティ

Danny Palmer (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2022-07-20 06:30

 Google Cloudのリスクおよびコンプライアンス担当ディレクターであるJeanette Manfra氏にとって、膨大な量の技術インフラやサービスのサイバーセキュリティに目を光らせるのは、今に始まったことではない。

Googleの社屋前で自転車に乗る人
提供:Google

 Manfra氏は以前、米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)長官補を務めていたことがある。同氏は当時、米国土安全保障省が掲げていた、米国の重要インフラをサイバー脅威から保護し、強化するというミッションや、2018年の中間選挙をデジタル技術を使った干渉から守るというミッションを指揮した経験がある。

 こうした役割を経験したManfra氏は、米国政府内でも屈指のサイバーセキュリティ通とされ、2019年12月に民間企業に転身するまで、企業やインフラのサイバーセキュリティを向上させるための戦略の策定に関わった。

 現在の同氏の役割は、より多くの企業が、クラウドコンピューティングを導入することによって、サイバーセキュリティ態勢を改善する手助けをすることだという。その手始めは、Googleが自社のネットワークを守るために使っているサイバーセキュリティ戦略を、顧客企業や個人ユーザーが利用している同社のクラウドサービスに適用することだ。

 Manfra氏は、「顧客との関係は単なる取引関係であってはならない。『これはあなたの責任であり、私の問題ではない』というわけにはいかない。責任を果たそうとする顧客の成功に投資する必要がある。私たちは顧客と運命共同体だと考えており、この問題に一緒に取り組まなければならない」と語った。

 Manfra氏は、特に企業がまだレガシーなITシステムを運用している場合、クラウドサービスの導入が、この共同アプローチを成功させるための鍵になると考えている。同氏は、レガシーなITシステムは「重大なセキュリティ上の脆弱性」につながると述べている。

 問題の原因は、サポート期間が終了したソフトウェアやOSを使い続けていることである場合もあれば、ネットワークに接続されている古いソフトウェアやシステムが単純に忘れられており、セキュリティアップデートが適用されていないことである場合もある。

 これは、ほとんどの業界が共通して抱えている問題ではあるが、レガシーな技術は、現在でも多くの社会的に重要なサービスのバックボーンを形成しており、これには重要インフラや、学校や、病院も含まれている。サイバー犯罪者がそのことをよく認識していることは、それらの組織でランサムウェアが特に大きな問題になっていることからも分かる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]