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富士通、2022年度第1四半期決算は増収減益--中計達成に暗雲も見通し明るく - (page 2)

大河原克行

2022-08-01 06:00

 一方、代表取締役社長の時田隆仁氏は、2021年度までの取り組みを振り返り、反省点の一つに、国内事業の成長に頼りすぎた点を挙げている。しかし、2022年度に海外事業が回復すれば、計画達成に向けた大きな一歩につながるのは確かだろう。

 好材料の3つ目は、部材供給問題が緩和に向かっているという点だ。第1四半期の部品供給遅延の影響は、売上収益でマイナス278億円、営業利益でマイナス129億円だった。「計画からは若干マイナスの影響になっている」(磯部氏)というように、悪化の影響は想定以上。特にIAサーバーや5G基地局などのネットワーク機器を中心に、前年度下期並みの影響が続いているというが、その動きに変化が出ているとのことだ。

 「不足している対象部品の範囲が絞り込まれ、少しずつコントロールができてきた印象だ。足元では、不意に部品がなくなるということは起きず、どの部品が足りないか、どの程度足りないかが、あらかじめ分かっている状況」と磯部氏。さらに「部品の供給遅延により、第1四半期にスリップしたものも第2四半期でリカバリーできる。部材コストの上昇についてもIAサーバーやネットワーク機器は、2021年度第4四半期以降にリストプライスを見直しており、新規受注分から適用して価格を転嫁している。切り替えが進むにつれ、損益面でのリカバリーが拡大する」と語る。

 一方で、円安の為替影響は富士通にとってプラスに効くほか、「One ERP+」をはじめとする社内DXの効果、前年度に実施した3000人規模のリストラ成果も見込まれる。こうした動きを捉えて磯部氏は、「受注拡大に対応した売り上げの増加、部材供給問題への対応が進展すること、2021年度までに取り組んできた成果の刈り取り、コストや費用の効率化効果もある」と今後の好材料を示し、「ひやひやしながらやっているところもあるが、安心材料もある。受注獲得を一段増やしてこれを年度内に刈り取る」と語った。

 その上で「いくらできるといっても、最後の結果は数字。これまで取り組んできた施策の効果を実現できれば届く水準だろう」と、中期経営計画の目標達成に意欲を見せる。

 第1四半期の業績は、さまざまなマイナス要素が絡んだ。当期の業績は、野球に例えれば、先発投手が手痛い先取点を取れられた格好だ。磯部氏の言葉を借りれば、先取点を取られるのは想定内ということになるだろうが、第2四半期以降に打線が盛り返して逆転できるかどうかが、ポイントになる。富士通は、強力打線をそろえ想定通りに逆転できるのだろうか。

富士通の2022年度通期連結業績予測
富士通の2022年度通期連結業績予測

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