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ますますユーザーの近くに--アマゾンCTOが語るクラウドサービスの現在地 - (page 2)

Tiernan Ray (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2022-08-05 06:30

 デジタルネイティブにそれが起こっているのは当然だろうが、Vogels氏は、Amazonの「Alexa」がある種のブレークスルーになっていると指摘した。「私が気づいたのは、Alexaに本当に注目しているのはお年寄りだということだ」とVogels氏は述べた。「お年寄りにiPadを持たせても、孫の写真を見るのには使っても、それ以上のことはやらない」

 「しかし、話し言葉が使えるとなれば話は違ってくる。それは昔からやってきたことだからだ」と同氏は言う。一部の高齢者ユーザーは、Alexaのことを「救世主」と呼んでいるという。

 この話からは重要な教訓が得られるかもしれない。Vogels氏は、世界中で高齢化が進む中、ケアを必要としている人と、実際に助けを得られる人との間のギャップの問題が、ある程度、スマートテクノロジーによってセルフケアを医療の重要な要素に格上げすることにかかってくる可能性があると話す。

 「セルフケアを行っている人たちの間では、さまざまなイノベーションが起こっている」と同氏は言う。

 Vogels氏は「私が非常に重要だと考えている分野の1つが、高齢者介護だ。私たちはみんな年を取るのだから」と述べ、社会にとって重要な課題の1つは、年を取ってからも長く自宅で生活し、介護施設に入らずに済ませるには、どんなイノベーションが必要かだと主張した。

 Vogels氏は、特に高齢者介護やヘルスケアの分野では、センサーや自動的なアラームなどをはじめとして多くのイノベーションが起きており、今後は利便性が大きく向上するはずだと述べた。

Vogels氏
提供:Amazon

 Amazonは7月21日に、プライマリーケア施設の運用事業者であるOne Medicalの買収を発表している。この買収契約と普及している技術との関係について尋ねると、同氏は、まだ手続きが進行中の段階で、他のスタッフが取り扱っている案件について話すべきではないとコメントを避けた。

 放射線医学の専門家から技術者になった63歳のVogels氏にとって、医療は身近なテーマだ。Vogels氏は7月に開催されたAmazonのNYC AWS Summitで基調講演を行う予定だったが、直前になってその役目をMartin Beeby氏に譲った。「Martinが素晴らしい成果を挙げたからだ」という。

 そこで、もし講演をしてればどんなことを話したかと尋ねると、 Vogels氏は、大昔に病院の放射線科の倉庫がどんな状態だったかについて話しただろうと答えた。

 40年前や30年前の病院では、「デジタルストレージのコストが高すぎた」ため、MRIのデータをデジタルデータの形で残すことができず、医療記録を保管するニーズに対応するために、「フィルムにプリントして、レントゲン写真と同じような形で保管していた」という。

 Vogels氏は、フィルムを倉庫で保管するという扱いにくい保管システムを採用した結果、「患者が再びやってきたとしても、デジタル情報を比較することはできず、フィルムを自分の目で見比べる必要があった」と話した。フィルムを見ながら懸命に働いていた放射線科医は、「夜になると朝9時のときよりも視力が落ちていた」という。

 しかし今日では、クラウドや「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」のおかげで「純粋なデジタルデータを扱えるようになった」ことで、以前よりもはるかに素早く画像を調べられるようになった。

 Vogels氏は、技術的な変化が現場を変えている例の1つとして、デジタル形式の情報に対するアクセスが容易になったことで、放射線科医の仕事を支える手段として手段として人工知能(AI)や機械学習が求められるようになったことを挙げた。

 同氏によれば、「AIと機械学習が人間から仕事を奪うと考えている人は、まだ非常に多い」一方で、「実際に放射線科医と話してみると、彼らはこうした変化に非常に期待している」という。

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