古いマシンの復活(そして安全な使用)を可能にするのが、Googleの新しいソフトウェア「ChromeOS Flex」だ。筆者は先頃、これを実際に試してみた。
古いPCとMacが現役復帰
クローゼットに大量にしまっているコンピューターを取り出して再び活用できるというアイデアには、興味をそそられた。まず、USBフラッシュドライブ(8GBのもので問題ない)を使用して、「ChromeOS Recovery Media」を書き込んだ。所要時間は約10分だ。
最初の候補は、Dellの11年前のノートPC「Inspiron 15R-5521」(元々は「Windows 8」を搭載)だった。「Intel Core i7」と16GBのRAMを搭載するこの15.6インチノートPCは、以前は妻が使っていたが、常に扱いにくく、バグが多いWindowsシステムで、私たちは大嫌いだった。
USBドライブを挿入して、EFIブートプロセスを中断し、ブートソースとしてChromeOS Flexドライブを選択すると、この融通の利かない古いマシンですぐにインストーラーウィザードが起動した。システムの消去とChromeOSのインストールを確認すると、約10分以内にデバイスが再起動し、新しいOSが立ち上がった。
Wi-FiネットワークとBluetoothデバイスにアクセスでき、サウンドとウェブカメラが正常に動作した。サイトはすべて問題なく機能している。「Zoom」も使えた。動作はとてつもなく速い。
率直に言って、ChromeOSは、この古いがらくたで動作しているが、このような良好な動作はあり得ない。だが、実際に動作は良好だ。
確かに、このDellのマシンは少し強力すぎたのかもしれない。こうしたマシンを今も特定の作業に使用しているオープンソース開発者を何人か知っている。Linuxが機能しない理由はない。では、筆者の義理の母の2011年製「iMac」はどうだろうか。ChromeOSがこんなマシンで動作するとは到底思えない。あまりにも古いし、古いMacは奇妙だ。
RAMの容量はわずか4GBで、「i5-2500S」プロセッサーが搭載されている。2013年の時点で旧式扱いされていた。64ビットのチップではあるが(ChromeOS Flexの数少ない要件の1つ)、現在の基準で見ると化石のような代物だ。もちろん、最新のmacOSは実行できない。RAM容量が不足している。
Recovery Mediaを書き込んだUSBドライブをiMacの背面に差し込み、Optionキーを押しながら起動して、EFIブートメディアを選択したところ、息を吹き返した。
古いDellのときと同じように、ハードドライブのフォーマットが始まった。気づかないうちにChromeがうまく起動し、個人用と仕事用のGoogleアカウントにログインした。Wi-Fiは正常に機能している。Bluetooth周辺機器が接続され(「Magic Mouse」や「Magic Keyboard」といったApple製の機器も動作)、さらに「Google Assistant」が音声コマンドに応答する。
この古いiMacのRAM容量は4GBだ。それでも問題なく動く。信じられない。義理の母は気に入ってくれるはずだ。
古いコンピューターは他にもあった。「Intel Core i5」と8GBのRAMを搭載する2011年製の「Mac mini」だ。これも同じように、気難しすぎて最新バージョンのmacOSにはアップデートできない。USBドライブを挿入して、Optionキーを押した状態で起動し、ディスクをフォーマットしたところ、申し分なく機能するChromeコンピューターがすぐにできあがった。これをテレビにつなげて、AppleのワイヤレスマウスとキーボードをBluetooth経由で接続している。
子どもが予備のコンピューターを欲しがったときは、新品を買い与えなくていい。しまっている古いノートブックを取り出して、Chrome化しよう。年配の家族が使いやすいものを求めていて、今使っている古いPCに不満があり、困ったことに、よく怪しいリンクをクリックしてマルウェアやクリックジャッキングの拡張機能をインストールしてしまい、そのたびに自分が助けなければならないという場合も、Chrome化だ。
学生の研究室に安全なコンピューターが必要な学校組織や、ローカルデータを保存しないキオスクコンピューターが仕事で必要な人も、古いコンピューターをChrome化するか、あるいは誰かに古いマシンを寄付してもらうといい。
古いマシンをChrome化しよう。あらゆるものをChrome化しよう。すべてをChrome化しよう。

提供:Jason Perlow/ZDNet
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。