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「ひとり情シス」の本当のところ

第45回:列伝5人目「クラウドCIO型ひとり情シス」

清水博 (ひとり情シス協会)

2022-09-06 07:00

組織の板挟みの中から

 ひとり情シス協会が編集した「ひとり情シス列伝」の第五章は、超大手企業のグループ会社でひとり情シスを経験された林田悠基さんです。担当部署もないところから兼任で情報システム部門機能をスタートさせ、紆余曲折を経て今では独立した組織に格上げされ、スタッフも増員されています。中小企業がデジタル人材を兼任から専任化していくプロセスを経験されました。

 情報システム部門の体制を確立していく一方で、グループ企業という立場からガバナンスへの意識も重要だったそうです。林田さんは、そうした組織の板挟みに遭いながらも、常に前向きに取り組んでいます。

 日本は、世界の国々と比べるとグループ会社が圧倒的に多いです。グループ企業のひとり情シスの中には、同じような境遇の方も多いかと思います。列伝で、林田さんは自身の経験から4つの提言をされていますが、ここではその中からひとり情シスの進め方について紹介します。

提言:「これからのひとり情シスの進め方」

 「プログラミングやデータベースなどを自分で勉強したいのですが、何から勉強していったらいいのですか」という質問には正直閉口します。自分は仕事を通していろいろな経験をしたタイプなので、どうしても広く大きなアドバイスしかできません。答えを望む方に対するピンポイントの解ではないので響かないです。もし具体的な答えを求めるのであれば、むしろ身近な上司などに聞いた方がいいと思います。「どういうことをやったらいいですか」と積極的に対話をしてみましょう。

 この時に明確に答えられない上司だったら問題です。でも上司は、これをきっかけにして明確な説明ができるように考え始めるかもしれません。何もせず具体的に何も提示しなければ、社内でエスカレーションするか別の道を探った方がいいでしょう。

 今までの勉強会やコミュニティーイベントはオフラインがメインでしたので、わざわざ足を伸ばすことに抵抗感があった人は多いと思います。しかし今はあちこちでオンライン勉強会が開催されています。必ず顔を出さないといけないわけでもありません。まずは最初の一歩として、とりあえず参加してみると良いと思います。参加してみて合わないなと思ったら、辞めればいいだけです。

 情シスと同じように、何事もやってみないと分からないことは多いと思います。会社にITに関するものを導入する場合も、入れてみて初めて分かることは多々あります。新しいチャレンジは常に必要であり、情シスの人はまずやってみようという気持ちが必要だと私は思います。私も知識がないことを痛感してコミュニティーに参加しましたが、最初はどんな人がいるのだろうとドキドキしていました。

 しかし、参加した結果、多くの知識を得ることも、とても大切な人と出会うこともできました。情シスの人はまずは怖がらず匿名でもいいので勉強会に参加してはいかがでしょうか。その小さい一歩が大きな変革の始まりです。

清水博
清水博(しみず・ひろし)
一般社団法人 ひとり情シス協会
早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス)におけるセールス&マーケティング業務に携わり、米ヒューレット・パッカード・アジア太平洋本部のディレクターを歴任、ビジネスPC事業本部長。2015年にデルに入社。上席執行役員。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手掛けた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。中堅企業をターゲットにしたビジネスを倍増させ世界トップの部門となる。アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。2020年定年退職後、会社代表、社団法人代表理事、企業顧問、大学・ビジネススクールでの講師などに従事。「ひとり情シス」(東洋経済新報社)、「ひとり情シス列伝」(ひとり情シス協会出版)の著書のほか、ひとり情シス、デジタルトランスフォーメーション関連記事の連載多数。産学連携として、近畿大学CIO養成講座、関西学院大学ミニMBAコース、大阪府工業協会ひとり情シス大学1日コースを主宰。

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