今日のカスタマージャーニーはますます複雑化し、新しいブランドや商品に触れる方法がこれまで以上に増えています。オンラインと対面での購買体験を組み合わせることで、今日の消費者は、オンラインショッピングの利便性を享受しながらも、実店舗で商品を手に取り、具体的な体験を楽しんでいます。
Criteoが日本人消費者を対象にした調査では、特に若いZ世代やミレニアル世代でその傾向が高く、全体の78%が「オンラインで商品を閲覧してから、小売店舗でその商品を購入する」と回答し、81%が「小売店舗で商品の実物を見てからECで購入する」、51%が「商品をオンラインで注文し、小売店舗で受け取る」ということが分かりました。
カスタマージャーニーが複雑化する中、マーケターは自社の商品が新しい顧客の目にとどまり、関心を引きつけ、選ばれるように戦略を立て、自社ビジネスを成長させるシームレスな購買体験を提供する必要があります。
一方で、消費者の63%はパーソナライゼーション(個別最適化)を標準サービスとして期待し、マーケターの35%は保有するデータ品質が低いと、適切な広告で消費者のターゲットを絞り込むのが困難であると述べています。顧客一人一人に適切な購買体験を提供するためには、顧客開拓におけるマーケティング戦略の中で、あらゆるチャネルで高品質なデータを収集・統合する必要があります。
そこで、将来の購買客とつながり、自社ビジネスにとって価値の高い新たなオーディエンスを引き付ける上で役立つ、データドリブンな新規顧客の開拓戦略を詳しく見ていきましょう。
自社ブランドを支持してくれる人々とつながる
ブランドの認知度とロイヤルティーを促進することは目新しいことではありませんが、データや人工知能(AI)を用いてパーソナライズされた広告を展開し、より関連性の高い新規顧客にリーチする際には、2つの重要な戦略を検討しましょう。
1.自社の購入者と似ている購買客にエンゲージする
既存顧客と重複する興味・関心やライフスタイル、人口統計学的な属性に基づいて人々をターゲティングするために、データを活用しましょう。Criteoでは、価値の高い既存顧客(常連客、ロイヤルティー会員、購入金額が多い顧客など)のリストを共有できます。また、このリストを基に、共通の特徴を持つ新規の購買客を特定し、自社ビジネスの顧客基盤を拡大できます。
2.コンテクスチュアルターゲティングで関連性の高い購買客を発見する
特定のドメイン、コンテンツカテゴリー、あるいはキーワードをターゲットにすることで、サードパーティーの識別子がない環境において、自社ビジネスに適した購買客を見つけます。上記のメディアターゲティング手法に加え、Criteoは、ファーストパーティーデータのインサイトを活用することで、「どの場所に、何の商品を出すべきか」というパーソナライゼーションを実現します。従来のコンテクスチュアルターゲティングに、パーソナライズを組み合わせたソリューションにより、マーケターのコンテクスチュアルターゲティング戦術を強化し、関連性の高い環境にいる購買意欲の高い人々にリーチします。
対象となる市場の中で積極的な購買客にエンゲージする
自社の商品やサービスを積極的に調べている消費者と良好な関係を構築することで、自社についていつも消費者の念頭にとどめておいてもらえます。強い購買意欲を示している顧客をいち早くターゲットにすることで、最初に自社の商品やサービスを検討してもらい購入に至るよう促すことができます。
オープンインターネット上(いわゆる大手デジタルプラットフォーマーによって囲い込まれた領域であるウォールドガーデンの外にある、オープンなインターネット領域)で最大のコマースデータセットであるCriteoのファーストパーティーメディアネットワークを利用すれば、マーケターは自社の商品やサービスを積極的に購入しようとしているオーディエンスを特定し、購入を促進できます。
また、Criteoの機械学習機能を活用して購買客の120種以上の購入シグナルを分析することで、ライフスタイル、ロケーション、商品ニーズ、好みのブランド、購買力などに基づいてオーディエンスを絞り込めます。Criteoは、これらのインサイトをカスタマージャーニー全体にわたって活用し、購入に至る可能性が最も高い購買客にエンゲージできるようにします。
トライ&エラー:データ検証の継続
キャンペーンの結果から学んだことを生かして、高い成果を得ている他のオーディエンスセグメントを探りましょう。異なる属性、興味・関心、またはそれらの組み合わせで、ターゲティングを試してみましょう。有効な顧客拡大戦略に沿ってキャンペーンのファネルに新規顧客を定期的に取り込むことで、自社の商品やサービスに対して高い購買意欲と関心を示す購買客に常にエンゲージできます。
Criteoの自動化された見込み客を特定する機能により、対象となる市場で自社ブランドに関心を持ち、エンゲージする準備ができている新たな購買客を発見できます。また、Criteoのオーディエンスエクスプローラーは、現在の優良顧客を分析し、既存オーディエンスと親和性の高いオーディエンスを提案します。
例えば、コスメセレクトショップ「SEPHORA」(セフォラ)のドイツ店舗では、既存のウェブサイト訪問者と同様の興味・関心、類似性、人口統計学的属性を持つ新たな消費者を特定してエンゲージするために、Criteoの類似オーディエンスを使用して実施したキャンペーンで、直接的な効果として、720万人のユニークビジターを生み出し、リターゲティングキャンペーン全体の売り上げの25%をけん引しました。
日々価値を高める
広告業界がますます消費者中心に成長するにつれて、データドリブンの顧客獲得手法の必要性がこれまで以上に必要とされています。Criteoの、オープンインターネット上で最大の堅牢なコマースデータセットは、より関連性の高い顧客を獲得し、将来も可能な限り一対一のパーソナライゼーションを維持する上で役立ちます。
- 蓑輪誠一(みのわせいいち)
- Criteo Japan セールスディレクター
- 2019年にCriteo入社。大手クライアントとのビジネス開発、またクライアント担当セールスチームを統括。旧オーバーチュア(買収され現在はYahoo!Japan)で大手クライアントチームの統括やショッピングサーチビカム、AdRollなどで、ディレクターとして日本法人の立ち上げなどに参画。過去20年以上にわたりデジタルマーケティング業界での日本市場新規参入、事業拡大、組織改革に貢献。