イトーキ、オンラインストアでARによる家具の試し置きを可能に

寺島菜央 (編集部)

2022-09-01 17:49

 オフィス家具メーカーのイトーキは、同社が運営するオンラインストアに3次元(3D)/拡張現実(AR)導入サービス「RITTAI」を導入した。同サービスを開発したx gardenが9月1日に発表した。

 RITTAIは、電子商取引(EC)サイトの運営者が手軽に3D/AR表示を導入できるサービスで、自社ECサイトへの3DビューやARの導入、商品3Dモデルの制作、導入後の効果測定など、3DやARの導入に必要な工程をトータルで支援する。

ARによる試し置き機能の利用イメージ
ARによる試し置き機能の利用イメージ

 RITTAIの導入によりイトーキのオンラインストアでは、ARに対応している家具やインテリアの画像をクリックすると、スマートフォンのカメラを通してバーチャルの商品をその場に表示できるようになった。ARによる試し置き機能を活用することで、顧客は家具のサイズや色合いが合っているか購入前にシミュレーションできるため、安心して購入できるとしている。x gardenによると、同サービスを導入した企業のコンバージョン率(CVR)や顧客単価は向上しているという。

 イトーキは同サービスを選んだ理由として、「導入の手軽さ」「EC特化の機能充実度」「低価格の3Dモデル制作と手厚いフォロー」を挙げた。AR機能の導入は、3D制作ツールのCADや「Blender」などで生成された商品の3Dデータがあればドラッグ&ドロップで行える。EC担当者がRITTAIの管理画面上に3DデータをアップロードするとURLが出力され、そのURLを自社サイトに組み込むだけでAR機能を実装できる仕組みだ。

 また、RITTAIは同一のURLで「iOS」「Android」端末やPCといった複数デバイスに対応しているため、スマートフォンだけでなくPCにも360度のVR(仮想現実)ビューをブラウザー上で表示できる。そのため、オンラインサイトを訪問した多くのユーザーがAR機能を体験できるとしている。

AR機能の実装イメージ
AR機能の実装イメージ

 ほかにも、ARで表示した後でもさまざまなカラーパターンを試せる「カラーシミュレーション機能」や、ブラウザー上で3D表示ができる「3Dビューの埋め込み機能」を搭載。加えて、どのくらいARが使われたのかといった商品のAR視聴データも取得できるため、ARの費用対効果の分析ができる。

 x gardenでは商品の3Dデータがない場合でも、家具1モデルにつき8000円から3Dデータの制作、進行管理、納品を提供している。また、3Dモデルを保有している場合でもARで表示するために必要な3D変換作業を請け負うフォロー体制も整っている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]