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エコシステムで顧客のビジョンを叶える--ジェネシスに聞く、パートナー企業育成の秘訣

大場みのり (編集部)

2022-09-20 07:00

 コンタクトセンター基盤を提供する米Genesys Cloud Services(Genesys)は、2022年会計年度(2021年2月1日~2022年1月31日)におけるグローバルの売上高が19億ドル以上、アジア太平洋地域でもクラウド製品の前年比成長率が36%と堅調な成長を記録した。日本法人のジェネシスクラウドサービス(ジェネシス)においても、旅行会社のジャルパックや、スキンケア製品などの通信販売を行うザ・プロアクティブカンパニーらが顧客に加わった。

 現在、ジェネシスが手掛ける案件の約8割は販売パートナーを経由しており、こうした好調の背景には顧客のニーズに応えるパートナーエコシステムがあるという。パートナー・アライアンス営業本部長の橋村信輝氏に、同社のパートナービジネスやパートナーの育成方法、パートナービジネスが実現することについて聞いた。

パートナー・アライアンス営業本部長の橋村信輝氏。バーチャル背景には、「Winning with Partners(パートナーと共に勝つ」「Think Partner First!(パートナーファーストで考えよう!)」といった文言がある
パートナー・アライアンス営業本部長の橋村信輝氏。バーチャル背景には、「Winning with Partners(パートナーと共に勝つ」「Think Partner First!(パートナーファーストで考えよう!)」といった文言がある

 ITベンダーがソリューションを提供する際、北米などでは直接販売(ハイタッチ)が中心だが、日本では顧客企業にIT人材が不足しているケースが多いため、ベンダーはパートナーとしてシステムインテグレーター(SIer)やディストリビューター(販売代理店)の手を借りることが不可欠である。一般的にGo to Market(自社のソリューションを顧客に届けるための戦略)では、SIerやディストリビューターがビジネスにおけるエコシステムの中核を担い、複数ベンダーのソリューションを統合・構築・運用保守する。

 「当社もサービスを提供する上で自社のリソースだけでは難しい部分もあるが、われわれはそうした日本の商習慣を生かして、エコシステムを独自に構築している」と橋村氏は語る。

 Genesysはグローバルで「Experience as a Service」(サービスとしての体験)をビジョンに掲げており、このビジョンには「あらゆる顧客体験に共感の力を届けるプラットフォームを提供する」という思いが込められている。日本法人でもパートナーや顧客とExperience as a Serviceに取り組んでおり、橋村氏らパートナー・アライアンス営業本部はその実現を担っている。

 ジェネシスのパートナービジネスでは、ハイタッチ営業が直近の案件獲得、パートナー営業が中長期的なパイプラインの拡大を担当しており、双方が連携することで一つのエコシステムが生まれている。

 連携方法の例として、パートナー企業との関係構築・育成の段階において、パートナー営業が実施しているパートナーとの定例ミーティングにハイタッチ営業も極力参加することがある。そこではパートナー営業が自社のソリューションについて話したり、パートナーの要望を聞いたりし、具体的な案件の話になったらハイタッチ営業が入ってきて議論をする。

 「要は『パートナー/ハイタッチ営業どちらが取った案件か』といった考えを一切なくし、全ての情報を共有することが大切」と橋村氏は話す。

 こうしたビジョンや営業スタイルのもと、橋村氏は主に3つの業務を行っている。1つ目は、パートナー企業が再販するソリューションや市場、ビジネスの規模をすり合わせる「協業関係の構築」、動画のコンテンツなどを用いて自社のソリューション内容を知ってもらう「育成」、パートナーのソリューションも訴求する「ビジネスの加速」。各パートナーが今どの段階にいるのかを把握した上で、各種取り組みを行っているそうだ。

 2つ目は、日本市場のニーズに合ったソリューションの開発とそれを実現するパートナーエコシステムの構築。ジェネシスの主力製品であるコンタクトセンター向けプラットフォーム「Genesys Cloud CX」では、マイクロサービスアーキテクチャーを採用しており、機能単位で開発したコンポーネントでプラットフォームを構築している。その結果、導入企業は自社のサービスに必要な機能を柔軟に組み合わせられるという。またAPIにより、日本語に強い音声認識技術や消費者の感情分析を行う人工知能(AI)など、パートナー企業のソリューションともスムーズに連携することができる。

 3つ目は、多様なカスタマージャーニーに対応するため、顧客企業の情報システム部門のほか、コンタクトセンターやデジタルマーケティング、店舗の担当者にも自社ソリューションを周知させている。さまざまな部門担当者へのアプローチは、パートナーと協力することで実現しているという。

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