NEC、部品配送に量子コンピューターを本格導入--計画立案時間を10分の1に

ZDNET Japan Staff

2022-09-12 09:44

 NECとNECフィールディングは、10月から東京23区内での保守部品の配送計画の立案に量子コンピューターを本格導入すると発表した。翌日分の配送計画の立案作業が2時間から12分と、10分の1に短縮されるという。

 導入対象は、NECフィールディングが行う顧客先での故障対応になる。同社の「カスタマエンジニア」が拠点から顧客先に出向いて現場で保守作業を行う出動計画を立案する際、現状ではエンジニアのスキルや到着時刻を基にして、これにパーツセンターからの部品の配送も調整しているという。しかし、緊急あるいは定期、時間指定など注文形態が多様で、配送エリアと部品の種類、サイズ、手段(トラックやバイクなど)も組み合わせも膨大になるという。この状況で配送コストを抑えた計画立案ができる人材が限定されるなどの課題を抱えているとしている。

 このため2社は、2月から「NEC Vector Annealingサービス」を使って大規模な組み合わせ問題を高速処理する実証実験を行い、熟練作業者と同等程度の配送計画を立案できることを確認したとのこと。この成果から第一段階として約50件の翌日分の配送計画を立案できるシステムを開発し、まず都内23区の配送計画で本格導入することになった。

 このシステムについてNECは、計画立案の作業時間を短縮するだけでなく、配送車の削減や距離の短縮化効果も得られるとし、配送コストの約3割削減を見込んでいる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]