千葉県我孫子市は、1000台以上の職員用デスクトップ環境を仮想デスクトップ基盤(VDI)に移行する全庁インフラ再構築プロジェクトにおいて「Pure Storage FlashArray//X20 R3」(FlashArray)を共有ストレージとして採用し、本格稼働を開始した。提供元のネットワールドが発表した。
FlashArrayは、ピュア・ストレージが開発・製造するオールフラッシュストレージ。我孫子市にFlashArrayをVDIの共有ストレージとして活用する提案をしたのは大崎コンピュータエンヂニアリングで、ネットワールドが同社に検証機を提供し、提案内容の数値的な裏付けを支援したという。
仮想基盤全体のシステム構成
採用されたFlashArray(63TB)2台は、2021年末のカットオーバー以来、問題なく稼働し、ストレージがボトルネックになって各種I/Oが遅くなる状況は全くないとしている。
我孫子市では当初、FlashArrayのデータ圧縮・重複排除の機能により、約7倍のデータ削減効果を見込んでいたが、稼働開始後に実測したところ、約15倍もの削減効果になっていることが分かった。稼働状況はクラウドベースの管理ツール「Pure1」で監視され、安定運用が継続されているという。
また、ピュア・ストレージのサブスクリプション型保守サポート「Evergreen Storage」を採用し、後継モデルへの継続的なアップグレードが提供されるようにしている。今後10年に渡る包括業務委託契約で、期間中におけるストレージのリプレースコストや手間を気にする必要がなくなった。
今回プロジェクトでは、価格による入札方式ではなく、提案内容を総合的に勘案するプロポーザル方式で同市が10年間のITパートナー企業を選定。市は1000台以上のVDI環境の共有ストレージとして利用するため、基本的な要件として、高いパフォーマンスを維持できること、高可用性や安定性に優れていること、データ圧縮や重複排除の機能によって高いデータ削減効果が期待できること、10年間の運用コストを最適化できるサポートメニューが提供されていることなどを満たしていことなどを挙げていた。
同市は、大崎コンピュータエンヂニアリングの提案に対して、検証機による提案内容の数値的な裏付けがあったことを評価。また、ピュア・ストレージ独自の「Purity ActiveCluster」機能により、2台のFlashArrayでアクティブ/アクティブのクラスター構成で高い可用性と安定性が担保され、万一片方のストレージに障害が起きても、ダウンタイムを発生させることなく稼働を移行できることが他社にない点だった。