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松岡功の「今週の明言」

創業30周年を迎えるIIJの鈴木会長が語る「これまでとこれからのIT」とは

松岡功

2022-11-04 12:15

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、IIJ 代表取締役会長の鈴木幸一氏と、日本マイクロソフト ビジネスアプリケーション事業本部 本部長の野村圭太氏の発言を紹介する。

「AIや量子コンピューターを生かすキーとなる技術はネットワークだ」
(IIJ 代表取締役会長の鈴木幸一氏)

IIJ 代表取締役会長の鈴木幸一氏
IIJ 代表取締役会長の鈴木幸一氏

 インターネットイニシアティブ(IIJ)が先頃開いた記者懇談会で、鈴木氏が講演し、同社が2022年12月で創業30周年を迎えるのを機に、これまでとこれからのITについて自身の見解を述べた。冒頭の発言はその中で、これからのITとして注目される人工知能(AI)や量子コンピューターを話題に上げ、IIJが手掛けるネットワーク技術の重要性について強調したものである。

 1992年12月3日にIIJを創業し、日本にインターネットを持ち込んだ立役者として知られる鈴木氏は講演で、インターネットのインパクトについて「インターネットは『情報』と『通信』の技術基盤を共にすることによって、世界のあらゆる仕組みを変えてしまう技術革新だ」との持論を改めて述べ、「インターネットはコンピューターサイエンスだ」と強調した。これはすなわち、「インターネットはITそのもの」という解釈である。

 この解釈を巡って、鈴木氏は次のような昔のエピソードも披露した。

 「IIJを立ち上げる際、IT分野を代表するNECに出資を仰ごうと、当時の関本忠弘社長にお会いしてお話ししているうち、NECが当時掲げていた『C&C』(コンピューターと通信の融合を指す)について、『2つのCを並べたままだと別々のものに見える。C&Cを掲げている限り、NECは存在感を失っていくのではないか』と、つい余計なことを言ってしまい、激しい口論になってしまった。この話のように、余計なことを言ってはせっかくのチャンスを逃してきたケースが多々あった。これまでの30年の歴史を振り返ってそう感じている」

 当時、IT分野担当の新聞記者だった筆者も関本氏はたびたび取材したが、NECのトップに加えて経済界の実力者でもあり論客だった。「C&C」への思いについても熱く語っていた。それだけに、鈴木氏が披露したエピソードには、そのやりとりの凄さを感じずにはいられなかった。まさしく豪快なエピソードである。

 これからのITについても強調したのは、ネットワーク技術の重要性だ。

 「今やインターネット上では多くのサービスが展開されており、その仕組み自体が社会基盤となっている。その影響力は、時々発生するシステムやネットワークの障害によってさまざまな動きがストップした際に、多くの人が強く感じるようになってきている。とりわけ、基盤そのものであるネットワークは、高い品質と共に信頼性が問われる」

 こう話した鈴木氏は、「IIJはインターネットの運用について、そうした品質と信頼性にこだわってこれまでやってきた。そのスタンスはこれからも変わらない。これからのITを見据えると、AIや量子コンピューターといった有望な技術がますます進化していくだろうが、それらを生かしていく上でもネットワーク技術がキーになるのは間違いない。その意味では、今後もIIJが貢献できるところは大いにある。そのためにも、これまで以上に若くて優秀なエンジニアを一生懸命育てていきたい」と決意を述べた。

 冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。図1はIIJのホームページに掲げられているメッセージだが、これからの同社の姿勢を端的に表している。加えて、このシンプルなメッセージは日本のITベンダー、さらにはデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業全てに当てはまると感じたので紹介しておく。

図1:IIJのホームページに掲げられているメッセージ(出典:IIJのホームページ)
図1:IIJのホームページに掲げられているメッセージ(出典:IIJのホームページ)

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