商船三井は、財務・経理業務にクラウド統合基幹業務システム(ERP)「SAP S/4HANA Cloud」を導入した。同システムを提供するSAPジャパンが11月4日に発表した。
商船三井は、2022年度経営計画「Rolling Plan 2022」に向け、3つの事業戦略(ポートフォリオ戦略、環境戦略、地域戦略)と組織の力の向上・働き方改革を支える基盤としてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。今回のSAP S/4HANA Cloudの導入は、会計分野における柔軟な業務改革に対応することを狙いとしている。
同社は、4月4日に同システムの本稼働を全システムで開始している。基幹システムをSAPのクラウドERPで構築したことにより、業務の標準化と価値の高い業務へのシフトを実現し、今後の社会の変化に対して柔軟かつ迅速な対応が可能になったと説明した。
導入には、標準機能に業務を適合させるアプローチである「Fit to Standard」手法を活用し、アドオンを極小化することで、シンプルな業務プロセスと柔軟なITシステムを実現し、本稼働直後においてもシステムを安定して稼働できたという。また、4月に発足した商船三井ドライバルクも同システムを採用し、コロナ禍においても短期間で本稼働を実現した。
商船三井と商船三井ドライバルクは、刷新したシステムを含む基幹システムをDX推進の基盤とし、両社が蓄積した船舶・運航データとの相互活用により、温室効果ガス(GHG)排出への対応など、さまざまな社会課題と経営全般の課題解決にデジタル技術を取り入れる施策を加速させるとしている。