サイオステクノロジー、“燃え尽き”と対になる「ワークエンゲージメント」を解説

大場みのり (編集部)

2022-11-08 17:40

 サイオステクノロジーは11月8日、「ワークエンゲージメント」について報道関係者向け勉強会を開催した。勉強会には、サイオステクノロジー UI/UX・HR Tech サービスライン 執⾏役員の杉本卓氏、SLリーダーの稲⽥勇祐氏に加え、ベターオプションズ 代表取締役 兼 慶應義塾⼤学 総合政策学部 特任助教の宮中⼤介氏も登壇した。

 宮中氏によると、ワークエンゲージメントとは「仕事から活力をもらっており、熱意を持って没頭している状態」を指すという。「エンゲージメント」と聞くと従業員エンゲージメントが連想されるが、従業員エンゲージメントは仕事と組織両方のつながりを表し、ワークエンゲージメントは仕事とのつながりに焦点を置いている。

 ワークエンゲージメントには類似する/正反対の概念があり、エネルギー水準が高く、仕事も前向きに捉えている状態を「ワークエンゲージメント」とすると、仕事を前向きに捉えているがエネルギー水準は低い「リラックス職務満足」、エネルギー水準は高いが仕事を後ろ向きに捉えている「ワーカホリズム」、エネルギー水準が低く、仕事も後ろ向きに捉えている「バーンアウト(燃え尽きている状態)」がある(図1)。

図1:ワークエンゲージメントと他の概念の関係 図1:ワークエンゲージメントと他の概念の関係
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 従業員のワークエンゲージメントと業績には関連があり、ワークエンゲージメントを高めることで企業の業績向上につながるという。2021年に経済産業研究所が実施した調査では、百貨店の売り場ごとに従業員のエンゲージメントと売り場の業績の関係を分析。その結果、ワークエンゲージメントの平均値が高い売り場Bでは、売り場Aと比べて業績が良かったという。

 だが、ワークエンゲージメントの平均値が高くても従業員ごとの数値にばらつきがある売り場Cでは、売り場Bより業績が下回っていた。このことから、ワークエンゲージメントが高いことは重要だが、一部の従業員だけが高い状態では業績向上に結びつかず、全体的に高い状態が求められるといえる。

 ワークエンゲージメントを向上させる方法として、研究の世界では「健康障害ー動機付けモデル」が提唱されている。職場での対人関係が良好、上司の支援がある、仕事の裁量権が大きいなど「仕事の資源」が豊富な場合、ワークエンゲージメントにつながり、良い成果が期待される。一方、仕事の量的・精神的負担が高いと、バーンアウトにつながり、精神面で体調を崩して休職するなど悪い結果が懸念される。

 仕事をする上である程度の負担は避けられないが、宮中氏は「若手とベテランでは仕事の量的・精神的負担への感じ方が違うので、上司は部下のスキルや能力を見極めて適度な負荷を与えていればバーンアウトにはなりづらい。逆に仕事の要求度が低すぎるとワークエンゲージメントが低下するというデータもある」と説明した。

 また、2020年12月22~25日にホワイトカラーの会社員1万9659人を対象にテレワークの頻度とワークエンゲージメントの関連を調査したところ、「テレワークが週1日」と回答した人のワークエンゲージメントが最も高く、「週4日以上」と答えた人のワークエンゲージメントはあまり高くなかったという(図2)。

図2:テレワークの頻度とワークエンゲージメントの関連 図2:テレワークの頻度とワークエンゲージメントの関連
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 サイオステクノロジーでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションや文書管理アプリケーションなどさまざまなサービスを展開しているが、過去には多くの退職者が発生したり開発プロジェクトが不採算になったりした経験があり、その改善策として2014年に従業員のモチベーション管理やコンディションの把握を行うサービス「Willysm(ウィリズム)」を開発。会社と従業員、組織・プロジェクトと従業員、従業員同士のコミュニケーションの活性化に取り組む中で、退職率の低減や生産性の向上が見られ、2015年に社外向けのHRテックサービスの提供を開始した。

 現在同社はWillysmのほか、従業員エンゲージメントを分析する「OurEngage(アワエンゲージ)」やフリーアドレス用座席決定/予約システム「YourDesk(ユアデスク)」といったHRテックサービスを展開している。

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