調査

2023年のデジタル変革を形成する7つのトレンド - (page 2)

Vala Afshar (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-11-15 06:30

自動化への投資

 Deloitteによると、53%の組織がロボティクスプロセスオートメーション(RPA)の導入に乗り出しており、今後2年間に72%へと増加する見通しだ。またIDCによると、RPAを利用している組織の79%でエラーが減少し、同じ回答者の多くがプロセスの効率化を報告している。すでに多くの組織が、ハイパーオートメーションに力を注力している。調査では、今後24カ月間にハイパーオートメーションをテクノロジーロードマップに含める予定の組織は80%に上った

 Gartnerによると、組織は2024年までに、ハイパーオートメーションによって運用コストを30%削減できる見通しだ。また同社は、ハイパーオートメーションソフトウェア市場は2025年までに、約8600億ドル(約130兆円)規模に達するとみている。

MuleSoftのグラフ
提供:MuleSoft

コンポーザビリティーがビジネス戦略の中核的な柱に

 シームレスなデジタル体験を作り出す上で必要なデータは、往々にして複数のシステムにまたがって存在している。現在、平均的な組織は976種類の異なるアプリケーションを使用しているが、その多くはシステム間の接続が不十分だ。そのために生じるデータのサイロ化が、組織の90%で統合されたユーザー体験を実現する障害となっていることが、同じ調査で明らかになった。

 さらに、ITリーダーの3分の2(66%)が、データもしくはシステムの統合プロジェクトは時間がかかり過ぎると考えており、69%が高額だと回答した。コンポーザブルエンタープライズ(組み替え可能な組織)戦略が世界中で普及しつつあるのは、まさにそのためだ。Gartnerは、2023年までに主流企業の60%が、戦略的目標にコンポーザブルエンタープライズを掲げ、その目標達成に向けてますます多くのPBC(Packaged Business Capabilities)を使用するようになると予測している。

MuleSoftのグラフ
提供:MuleSoft

 2023年までに、コンポーザブルアプローチを導入した組織は、新機能の実装スピードにおいて、競合他社を80%上回る見込みだ。

ITに精通していないユーザーはローコードやノーコードの開発ツールと自動化を使い、変革を加速

 2021年に、IT部門が遂行を依頼されたプロジェクトの数は平均40%増加した。これは前年の30%から、大幅に跳ね上がったことになる。IT部門は予算が増えても、業務の増加にほとんど対応できていない。平均すると、2021年はプロジェクトの半数以上(52%)が期限内に完了しなかった。

 調査から、「大量離職時代」により、優秀な開発者をとどめることが一層困難になったと、大多数の組織(93%)が回答していることが分かった。組織にとって、次の大きな課題は、ITスキルと納期のギャップを克服する、管理された安全な方法を見つけることだ。フュージョンチーム(多分野混成チーム)を結成した、あるいは結成中の組織は3分の2以上(69%)にのぼり、また今後12カ月間に結成する予定の組織は22%だった。

 これは組織にとって大きな弾みになるはずだ。Gartnerは、このような方法でビジネスユーザーを支援するIT部門は、デジタルビジネス変革を加速できる可能性が2.6倍高くなるとみている。そして、企業もそれに気づき始めているようだ。企業の半数以上(55%)はすでに、ビジネスユーザーがAPIを利用してアプリケーションとデータソースを統合できるようにする「非常に成熟した」または「成熟した」戦略を立てている。それは今後、さらに増加する見通しだ。

MuleSoftのグラフ
提供:MuleSoft

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]