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VMware Explore

「クラウドスマート」への道のりを示すヴイエムウェア--富士フイルムやトヨタも事例披露

大河原克行

2022-11-16 06:00

 ヴイエムウェアは11月15~16日、年次イベント「VMware Explore 2022 Japan」を東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京およびオンラインによるハイブリッドで開催している。15日の基調講演には、同社首脳陣やユーザー企業の代表者らが登壇した。

 同イベントでは、8月に米国サンフランシスコで開催された「VMware Explore 2022」で発表の同社の最新テクノロジーや国内外における先進事例を紹介。リアル会場での開催は15日のみで、オンライン開催は15~16日の2日間という構成になる。ヴイエムウェア 代表取締役社長の山中直氏は、「日本で2007年からサーバー仮想化にフォーカスをした『VIRTUALIZATION FORUM』を開催し、2010年からはソフトウェアデファインドデータセンター(SDDC)をテーマとした『vFORUM』、2020年からは『VMware Cloud』および『Tanzu』を中心にした『VMworld』を開催してきた。2022年はVMware Exploreに名称を変え、マルチクラウドにフォーカスした」と、今回のイベントの位置付けを示した。

VMware 最高経営責任者のRaghu Raghuram氏
VMware 最高経営責任者のRaghu Raghuram氏

 基調講演では、VMware 最高経営責任者(CEO)のRaghu Raghuram氏と、最高技術責任者(CTO)のKit Colbert氏が登壇。「The Multi-Cloud Universe-ビジネスを加速させるイノベーションとインサイト」をテーマに、同社が推進している「クラウドファーストからクラウドスマートなアプローチへ」というキーワードを軸にした取り組みを説明した。

 まずRaghuram氏は、「ここ数年でVMwareは大きく変化した。データセンターのプロフェッショナルにサービスを提供するだけでなく、開発者やプラットフォームエンジニア、プラットフォーム運用チーム、セキュリティ領域にまでサービスが広がっている。それらのソリューションを全世界3万社とのパートナーエコシステムを通じて提供している」と切り出した。

 「企業や社会の問題を解決するために、VMwareは変化し、イノベーションを生み出していく。次のステージとして2022年5月にBroadcomによる買収を発表した。しかし、イノベーションを作ることで課題を解決するというVMwareのやり方は変わらない。これはBroadcomの経営陣とも共有されている。(Broadcom 社長兼CEOのHock Tan氏と)何度も会話し、これまでに長い時間を過ごしてきた。(Tan氏は)今後もVMwareのマルチクラウド戦略を推進するためにイノベーションへの投資を続けていくと宣言している。これからもイノベーションにエネルギーを注入していくことになる」と述べた。

 続けてRaghuram氏は、昨今の経済環境や世界情勢の変化により、コスト、サイバーセキュリティ、エネルギーが企業の対処すべき優先課題になっていると指摘。だが、「これらが優先課題でも大手企業に共通しているのは、『デジタルスマート』化しなくてはならないということ。デジタルスマートになるための競争が始まっている」とした。その上で、「VMwareのコミュニティーで毎週35万件の新規アプリケーション開発プロジェクトがスタートし、8500万件のエンタープライズワークロードを管理している。イノベーションを加速させながら、同時に既存ビジネスを継続させなくてはならないことが、多くの企業にとってデジタル変革の課題」とした。

 さらに、「多くの企業が大規模なリプラットフォームを推進し、クラウドファーストに取り組んできた。しかし、ここにきてリプラットフォームが先に進まないという課題が生まれてきた。それは開発者不足、既存のエンタープライズアプリケーションの比重が大きく、クラウドネイティブへの移行が進まない。マルチクラウド化により運用とセキュリティが断片化し、さまざまな課題が発生していることが背景にある。これは世界共通の課題であり、まさに『クラウドカオス』という状況だ。2022年夏に実施した調査では、いまクラウドカオスの状態にある企業が多いことが分かった。だから、クラウドに対する支出額はIT支出全体の10%にとどまっている」と課題を指摘した。

 その一方で、「朗報もある」とし、「それは、クラウドに速く移行するための方法が分かっているという点。そのアプローチは『クラウドスマート』と呼ぶ。クラウドスマートの考え方はシンプルである」とした。

 VMwareは、2年前に「VMware Cross-Cloud Services」を発表し、クラウドスマートを促進できる環境を整えたとする。これにより、アプリケーション開発スピードの向上、一貫性のあるエンタープライズインフラの実現、分断化されたアプリケーション環境からの脱却が可能になるという。ここでは「VMware Cloud Universal」により、単一のクラウドオファリングでさまざまなパブリッククラウドを利用できる環境を提供し、2023年には、さらに多くのパブリッククラウドに対応を拡大する予定であること、直近で発表した「VMware Private Cloud Foundation Stack」を「HPEのGreenLake」と統合し、従量課金方式をプライベートクラウドにも活用できること、Equinixとの連携で全世界70カ所のメトロ・ロケーションにおいて低遅延なアプリケーション環境を実現できること、継続してDell Technologiesと強力なパートナーシップを結んでいることなどを具体例に示した。

 さらに、「ラテラルセキュリティ」という言葉を持ち出した。「従来のセキュリティは境界線を守ることに多くの時間や費用、エネルギー、専門知識を注いできた。だが、攻撃者は侵入して長期間にわたりシステム内にとどまり、ネットワークやアプリケーションの内部を移動する。われわれはアプリケーションの稼働部を守らなくてはならない。これがラテラルセキュリティであり、『VMware NSX』がその解決手段になり、ハードウェアを必要とせずハイパーバイザーやKubernetes層に取り込んで動作し、プログラムによって、クラウドインフラの中でコントロールできる。新たなアプリケーションにも自動的にこの保護が適用される」などとした。

 データ活用では、データ主権がさらに重要になると指摘し、「VMwareはソブリンクラウド(データ主権クラウド)に対する投資を加速している。ソブリンクラウドでのセキュリティ、コンプライアンス、コントロール、自律性を実現し、ここでもイノベーションを支援する。ソブリンSaaSも活用して、最新のワークロードへの対応、差別化の強化、運用の簡素化を実現する」などと述べた。

 その一方で、Raghuram氏は、「パブリッククラウドにするか、プライベートクラウドにするか」という議論には意味がないとも提起した。「これはクラウドの方法論の話。一番大切なのはクラウドネイティブアプリケーションなのか、エンタープライズアプリケーションなのかといったように、アプリケーションのポートフォリオを考える点だ。どんなアプリケーションでも短時間にビルドしたりモデイファイしたり、セキュリティを強化したりしなくてはならない。これは『クラウドスマート』になる上で重要なもの」と語った。

 そして、「VMwareは一貫したインフラを一貫した管理の基で一貫した形でアプリケーションを展開でき、選択肢も提供できるようにしている」と語った。

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