ウエルシア薬局は、人口知能(AI)を活用した社内向けチャットボット「HiTTO」を導入した。HiTTOが11月15日に発表した。
ウエルシア薬局では、HiTTOをベースに開発した人事チャットボット「ルシア」を社内に配属した。これにより人事本部に寄せられる問い合わせ件数を70%削減し1日当たり6.25時間、1カ月当たり187.5時間の対応工数の削減につながっているという。ルシアは約2000店舗で働く、店長、薬剤師、パート、アルバイトなど多くの従業員の人事・労務に関する疑問解決に利用されており、月間利用数は5000件を超え、90%以上の回答精度となっている。
HiTTOは、あらかじめ1200件以上のナレッジを学習したAIが搭載されており、初期工数を抑えて導入ができるという。また人事、労務関連だけでなく、総務などの領域についても展開が可能としている。
活用イメージ
ウエルシア薬局は、チャットボットを活用することで従業員から人事部門への定型的な問い合わせ対応の自動化や人事部門の業務ナレッジの共有と体系化の仕組みの構築を目指していた。また会社の最新情報の社内浸透や、現場の従業員が困っていることを把握できる仕組みづくりなども目標としている。
同社は2019年に一度、チャットボットの導入を検討したが、導入時の工数や導入以降のメンテナンス工数を鑑み断念していた。HiTTOについては、初期工数の大幅削減が可能なことや、豊富な回答件数と学習した膨大な質問パターンにより、導入時から高い表示率と正答率を実現てきることなどを評価して導入に至った。また豊富な支援実績で、チャットボットの導入から活用まで安心して展開が可能なことも採用のポイントになった。
現在、ウエルシア薬局では、ルシアに寄せられる質問履歴をもとに、従業員の潜在ニーズを可視化し、チャットボットで回答できる範囲を拡張するなど、従業員の疑問をより多く解決できるように改善サイクルを構築している。今後は人事労務領域だけでなく、総務や採用領域にもルシアの対応領域を広げていく予定だ。