企業セキュリティの歩き方

職業としてのセキュリティ--世界で急増しているセキュリティ人材

武田一城

2022-12-12 06:03

 本連載「企業セキュリティの歩き方」では、セキュリティ業界を取り巻く現状や課題、問題点をひもときながら、サイバーセキュリティを向上させていくための視点やヒントを提示する。

 サイバー攻撃が巧妙化し、世界規模のビッグビジネスの様相を呈している――このことは、さまざまなメディアに取り上げられるインシデントなどで世の中の常識となりつつある。さらに、ITがビジネス領域へ本格的に進出して四半世紀ほどが経過し、現在では重要な社会インフラのようになってきている。そのため、サイバー攻撃は、社会における深刻な脅威となりつつある。

 社会を守るためにセキュリティの重要度がこれまで以上に増大している。さらに、攻撃手法の巧妙化によって、単にセキュリティ対策製品などを導入しただけでは対応できなくなってきている。そのため、「セキュリティ人材」と呼ばれる専門家が一般企業などにも必要とされ、実際にこの市場では数少ないセキュリティの技術を持つ人材を取り合う様相になっている。近年騒がれているセキュリティ人材の不足は、そのような要因が複雑に絡まることで起きているのだ。

 しかし、セキュリティというものが1つの専門的な職業として認識されたのは、比較的最近であり、他の職業のような多くの歴史を重ねてはいない。そのため、セキュリティ人材に必要なスキル要素や経験の体系的な整理だけでなく、キャリアパスなどの他の職業には当たり前のようにあるものが幾つも欠けている状況が散見される。今回から、この「職業としてのセキュリティ」にまつわる話を述べていく。

世界のセキュリティ人材は470万人

 CISSP(Certified Information Systems Security Professional)などのセキュリティプロフェッショナルの認証資格を運営している(ISC)2がサイバーセキュリティ労働力の規模と既存の人材不足を評価するために、毎年実施している調査がある。その最新の調査「2022 Cybersecurity Workforce Study」によると、セキュリティ人材の不足が従来よりもさらに深刻化しているという。具体的には、セキュリティ人材は前年比26.2%増と大幅な増加傾向となったものの、人材の増加率よりも2倍のスピードで需要が拡大しており、需給関係はより悪化している。

 また、同調査では世界のセキュリティ人材の総数が、過去最高水準となる約470万人に上ることも明らかになった。また、世界最大のセキュリティ人材を擁しているのは米国で、およそ120万人にも上るセキュリティ人材がいる。対して日本のセキュリティ人材は約38万8000人だという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]