ピュア・ストレージ・ジャパンは12月9日、2022年の事業総括と2023年の業界展望を明らかにした。代表取締役社長の田中良幸氏は「快進撃を続けている」と記者会見で強調し、好調な業績をアピールした。
ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏(左)とアジア太平洋・日本地域担当 プリンシパル・テクノロジストの岩本知博氏
米Pure Storageはグローバルで堅調な成長を続けており、2023年度の売上高は前年同期比で26%増の27億5000万ドルを見込む。直近の2023年度第3四半期(11月6日締め)の売上高は前年同期比20%増の6億7600万ドル、サブスクリプションサービスの売上高は同30%増の2億4480万ドルだった。
田中氏は「創設以来、右肩上がりに業績を伸ばしている。コロナ禍などの外的要因もあって、さまざまな企業が成長を鈍化させている中、ピュアはずっと業績を伸ばしている」と語った。
また昨今、企業のESG(環境、社会、統制)への対応が注目されているが、これについても「(ピュアの)製品ポートフォリオはエネルギー削減率に目覚ましいもの」(田中氏)といい、同社が3月に発表したESGレポートでは、競合製品と比較してデータシステムによる直接的な炭素排出量を最大80%削減できることを明らかにしている。
第3四半期の段階で全世界の顧客数は1万1000社超。顧客の満足度を測るNPS(Net Promoter Score)は85.2で、これは「BtoB(対法人顧客ビジネス)企業の上位1%」に入るという。
第3四半期の総括として、田中氏は「着実な業務遂行により、売上高は前年同期比20%増、営業利益も増加し、好調な業績を達成した」とし、その要因の一つに大口顧客のMeta(旧Facebook)が進めるスーパーコンピューター「AI Research SuperCluster」(RSC)の構築プロジェクトを挙げた。
また、サブスクリプションの年間経常収益(ARR)が初めて10億ドルを超え、前年同期比30%の増加となったこと、サブスクリプションサービスの中核となる「Evergreen//One」(旧Pure as-a-Service)が第3四半期に大幅に成長し、過去最高の業績だったことなども紹介された。
日本市場の業績について、田中氏は「IDC Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker」のデータ(外付型OEMストレージシステム市場)を引用し、第3四半期は日本の市場全体が22.7%の減少となった一方で、同社は9.6%の成長となったことを強く語った。