Salesforce Researchのレポート「State of Sales」の2022年版によれば、営業担当者の69%が、コロナ禍前よりも営業活動が難しくなっていると考えているという。

Salesforce Researchは、「State of Sales」の第5版で、世界の営業担当者7700人以上を対象に実施した調査の成果について説明している。この調査では、経済的な逆風が続く中、営業部門がどのように価値を最大化し、購入者の期待に効果的にどう応え、ビジネスの成功を支える戦略的なパートナーとして顧客に接するためのセールスオペレーションをどう構築し、すべての担当者をMVPに変えるためにどのような能力開発戦略で臨んでいるのかを調べた。まずは、調査で明らかになった4つの大きなトレンドを紹介する。
- 「影響の最大化」を重視している。企業は、インフレやサプライチェーンのボトルネック、規制に関する不確実性、政治的な混乱などの脅威に晒されており、リスクの高い戦略を避けるようになっている。にもかかわらず、営業担当者は目標達成のプレッシャーに晒されている。これは難しい課題だ。
- セールスオペレーションが効率向上につながっている。業務効率の重要性はますます増している。セールスオペレーション(訳注:営業活動を支え、業務効率を高めて成果を最大化する仕事)は戦略的な役割を担うようになってきており、営業担当者が顧客との対話により多くの時間を使えるようにするという役目を負っている。現在、営業担当者は、実際の営業活動に業務時間の28%しか費やせていない。
- 営業担当者は、高まりつつある買い手の期待に応えるために努力している。買い手は、どこからでもどんなチャネルでも連絡が取れる営業担当者を求めている。そのチャネルはeコマースプラットフォームかもしれないし、ソーシャルメディアネットワークやパーソナルアシスタントかもしれない。また買い手は、営業担当者に高度な知識を持つ信頼できるアドバイザーの役割を期待している。企業は、買い手と繋がるためのチャネルを平均で10種類持っている。
- 営業担当者の体験の重要性が再認識されている。企業は、トレーニングプログラムや福利厚生を見直すとともに、担当地域や営業ツールを最適化して、従業員が成功できる環境作りを進めている。これは、新たに獲得できる人員の数が限られている上に、営業部門では今後12カ月間で25%の離職率が見込まれているためだ。