人工知能(AI)契約審査プラットフォーム「LegalForce」の自動レビュー機能が和文の就業規則に対応した。提供元のLegalOn Technologiesが12月16日に発表した。就業規則条項の抜け漏れや法改正対応の見逃しを防ぐことで審査・検討の質を高めるとともに、就業規則の策定・改定を支援する。
就業規則は、会社における労働者の給与や労働時間といった労働条件、労働者が順守すべき職場内の規律やルールなどをまとめた規則。常時10人以上の従業員を使用する事業場がある会社では作成が義務付けられている。
就業規則で適切・明確に労使間のルールを定めておくことで、互いの権利を尊重しながら働きやすい環境をつくることができる一方、内容が不適切・不明確である場合、労使間や労働者間でトラブルが発生する原因となる。そのため、適切な内容を定めることが企業にとっては重要な課題となっている。
その一方で就業規則は、関連する法令が多岐にわたる上、労働基準法などの法令において記載が求められている事項もある。また、働き方改革の流れの中で、「ハラスメントの禁止」「長時間労働者に対する面接指導」「勤務間インターバル制度導入の努力義務」「副業・兼業の促進」など、労働関係の法令やガイドラインの改正が頻繁に実施されている。
このような背景から、新たな就業規則の作成や既存の就業規則の法改正対応に必要となる労力が年々増大していることが企業や企業を支援する法律事務所などの専門家にとって大きな課題となっているという。
今回のアップデートにより、就業規則の審査・検討に必要となる労力を軽減し、抜け漏れや法改正対応漏れのない就業規則の策定・改定が可能になるとLegalOn Technologiesは説明する。厚生労働省が公表している「モデル就業規則」の内容も踏まえた上で、実務上有用とされている条項などのチェックポイントも多数搭載しているという。
自動レビューのチェックポイントに含まれる項目としては、「労働時間、休日、時間外および休日労」「フレックスタイム制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制」「年次有給休暇、育児・介護休業、産前産後休暇、生理休暇、裁判員休暇」「賃金の構成(賃金体系)、決定方法、計算方法、割増賃金」「懲戒、解雇」「個人情報の管理義務、秘密保持義務」「各種ハラスメントの禁止」「副業・兼業」などがある。