経済産業省は12月21日、デジタルトランスフォーメーション(DX)人材が具備すべきスキルを取りまとめた標準を策定し、「デジタルスキル標準(DSS) ver.1.0」として公開した。
DSSは、全てのビジネスパーソンが身につけるべき能力・スキルの標準として同省が3月29日に公開した「DXリテラシー標準」と、今回新たに策定した企業がDX推進人材を育成・採用するためのDX推進人材の役割や習得すべきスキルを取りまとめた「DX推進スキル標準」の2種類で構成される。
「DXリテラシー標準」の全体像(出典:経済産業省)
同省は、デジタルスキル標準で扱う知識やスキルが共通的な指標として転用しやすく、内容理解において特定の産業や職種に関する知識を問わないよう、可能な限り汎用性を持たせた表現とし、個々の企業・組織が適用する際には、それぞれが属する産業、自らの事業の方向性に合わせた具体化が必要になると補足する。
2つの構成のうち「DXリテラシー標準」では、DXの背景、DXで活用されるデータと技術、データと技術の活用の観点で働き手一人一人が具備すべきDXのマインド・スタンスや知識・スキルを示している。これに対し「DX推進スキル標準」では、企業がDX推進人材を育成できるよう人材の役割と知識・スキルを示している。
「DX推進スキル標準」を作成した情報処理推進機構(IPA)によると、同標準ではDX推進人材を「ビジネスアーキテクト」「デザイナー」「データサイエンティスト」「ソフトウェアエンジニア」「サイバーセキュリティ」の5つに分類した上で、さらにそれぞれでの役割を細分化し、各役割が具備すべきスキルとその重要度を5段階で定義している。
「DX推進スキル標準」で定義するDX推進人材の種類(出典:経済産業省)
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また、全てのDX推進人材に共通するというスキルを「ビジネス変革」「データ活用」「テクノロジー」「セキュリティ」「パーソナルスキル」の5カテゴリー・49種類も定義。ここでのスキルを獲得するための学習項目例を提示する。
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同省とIPAは今後、デジタルスキルに関するポータルサイト「マナビDX」で研修事業者が提供する学習コンテンツと新規に策定した「DX推進スキル標準」をひも付け、可視化を推進していくことにしている。