トランスコスモス・デジタル・テクノロジーは1月10日、Microsoft製品を活用し、従業員のPCR検査受診情報を集約する社内管理システムの構築・運用を開始したことを発表した。
同社によると、国内従業員数4万4000人規模の企業において、PCR検査情報の集約業務が大きな負荷になっていたという。具体的な業務内容としては、「PCR検査実施情報の登録」「検査結果反映」「陽性となった際の消毒実施有無等の各種情報の登録」などがあり、これらを短期間で一元管理できるルール策定とシステム構築が求められていた。また、「機密性の高いセキュリティ」や「既存システムとの柔軟な情報連携」も必要だった。
この課題を解消するため、同社はローコード開発で従業員のPCR検査受診情報の集約システムを構築。同システムの構築・運用には、ローコードプラットフォーム「Microsoft Power Platform」とクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を採用した。運用ルールの制定と同システムの構築を並行で着手し、ローコード開発の採用により約2カ月でシステム稼働を実現したという。加えて、システム間データ連携機能の実装により、既存システムとの円滑な情報連携を可能にした。
システム構成の概要
Microsoft Azureを利用することで利用者の制限や外部からのデータアクセスなどのセキュリティ要件の充足を図った。さらに、Microsoft AzureのオンプレミスデータゲートウェイとMicrosoft Power Platformの機能を組み合わせることで、安全度の高いデータ接続を実現。また、基盤にクラウドを採用することで、保守やメンテナンスが不要となり、システム運用の負荷軽減につなげられたという。
同システムの活用により、稼働前は月に750時間要していた作業時間が稼働後は250時間に減少し、約67%の作業時間を削減したという。また、ローコード開発により、顧客自身でシステムの機能拡張や追加開発ができる。
同社は今後、Microsoftが提供する製品を中心としたローコード開発のサービス拡充に注力し、顧客自身でのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進やシステム構築の内製化を支援するとしている。