約4万人の開発者を対象とする「State of JavaScript 2022」調査で、JavaScript開発者が使用する最も人気の技術や新興技術、衰退している技術が明らかになった。
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Googleなどがスポンサーとなっているこの年次JavaScript調査では、「React」のような定番フレームワークに挑戦する「Solid」や「Qwik」などの新たなフロントエンドフレームワークに光を当てている。また、レンダリングフレームワークやテストツール、モバイルおよびデスクトップ開発ツール、さまざまなビルドツールについても調査している。
調査では、継続率と使用経験者の数に基づいて各技術を評価している。高使用率/高継続率を示した技術(継続率は今後も使い続けるか回避するかで満足度を測る指標)は、安心して導入できるもの、低使用率/低継続率の技術は「推奨しづらい」、また高使用率/低継続率は使用中なら見直しを検討すべきと考えられるものだ。
モバイルおよびデスクトップアプリの開発部門において、継続率が最も高かったライブラリは、HTMLやCSS、JavaScriptのようなウェブ技術を用いてクロスプラットフォームのデスクトップアプリを構築する比較的新しいオープンソースツールキット「Tauri」だ。7月にバージョン1.0に到達したTauriは、コアライブラリが「Rust」言語で書かれており、セキュリティの向上とリソース消費量の削減に重点を置くプロジェクトだ。Tauriで構築したアプリは、ウィンドウ、ウェブビュー、OSへの呼び出しを管理するRustのバイナリを備える。Tauriは「iOS」「Android」への対応にも取り組んでいる。
クロスプラットフォームのデスクトップアプリ構築に最も広く使われているツールの「Electron」は、2020年以降は継続率が大幅に低下している。2018〜2020年には継続率トップだったが、2022年は75%に落ち込み、それでも74%の「React Native」を僅差でかわして継続率トップ4に入った。
とはいえ、Tauriの認知度は回答者の32%にとどまり、使用率は知っていると回答した人のわずか5%だ。ただし、使用率はこの1年間で倍増している。Electron(35%)がReact Nativeとともに依然として最も使用率の高いツールキットで、「Cordova」がそれに続く。
フロントエンドフレームワークではReactの使用率が82%で最も高く、次いでGoogleの「Angular」が49%、「Vue.js」が46%だった。「Svelte」の使用率は、2019年の7.8%から上昇し、21%で4位となった。またSvelteは、開発者が関心を持っていると回答したフレームワークの首位となっている。
継続率ではSolidが91%でトップ、Svelteが90%だった。3位はQwikの85%。4位のReactは2019年の89%から83%に低下した一方、Angularの継続率は同期間にやや上昇して43%になったが、それでも68%を記録した2016年からは大幅に低下している。
サーバー側では、レンダリングフレームワークの使用率トップは「Next.js」で49%、次いで「Gatsby」が23%、「Nuxt」が18%となった。しかし継続率では、「Astro」と「SvelteKit」がともに93%で首位を占め、Next.jsが90%で続いた。Gatsbyの継続率は、2019年の89%から2022年は38%に低下している。
Microsoftが手がけたJavaScriptのスーパーセット「TypeScript」は、JavaScriptの人気が高いこともあり、10年前のリリース以降、支持を伸ばしている。どのJavaScriptフレーバーを使用しているかという質問に回答した2万7000人のうち、98%がTypeScriptと答えた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。