「アクションに結び付くインテリジェンス」--タブロー幹部が語る、進化する分析とBIの今後

藤本和彦 (編集部)

2023-01-19 07:00

 セールスフォース・ジャパンは1月18日、同社傘下にあるTableau事業の記者説明会を開催した。米SalesforceでTableau担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのPedro Arellano氏がビジネスインテリジェンス(BI)/アナリティクス市場の現状、新機能を含めた製品戦略およびロードマップなどを明らかにした。

 Arellano氏は、Googleで「Looker」のプロダクトマネジメントを担当し、MicroStrategyでは製品ディレクターを務めてきた経歴を持つ。プロダクトマネジメント、プロダクトマーケティング、コンサルティング、カスタマーサポート、Go to Market(市場開拓)などの職務を歴任し、データとアナリティクスに関する幅広い専門知識を有している。Tableauでは製品のビジョンや戦略、事業成長を推進する責任を担っている。

 同氏は会見で「今こそデータカルチャーを構築するときだ」と言い、労働力不足や世界規模のインフレ、新型コロナウイルス感染症の世界的流行、サプライチェーン(供給網)の崩壊、エネルギー危機など、「課題だらけの海原を進んでいくためにはコンパスが必要で、その役割を担うのがアナリティクスである」と強調する。

米SalesforceでTableau担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのPedro Arellano氏
米SalesforceでTableau担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのPedro Arellano氏

 ただ、同社が実施した調査によると、83%の最高経営責任者(CEO)が組織をよりデータドリブンにしたいと望んでいる一方、自分が所属する組織がデータドリブンな組織だと考える従業員は30%にとどまるという。

 そこには、「信頼性と正確性の欠如」「活用の行き詰まり」「アクションにつながらないレポート」という3つの課題がある、とArellano氏は指摘する。平均的な企業には約1000個のアプリが存在し、そこから発生する膨大なデータを扱いきれていない。従業員(ビジネスユーザー)の30%しかデータを活用していないという。また、データから導き出されたインサイト(洞察)がアクションにつながらないケースも多いと指摘。

 そうした背景から、同氏は「モダンBIはビジネスユーザーの要求を満たしていない」と同市場の現状を説明する。これに対して、Tableauでは「データの未来に向けた新しいエクスペリエンス」が必要であるとの方向性を示す。

 Arellano氏は「ビジネスソフトウェアに期待されるのは、コンシューマーライクなエクスペリエンス」であると説明し、「Slack」との統合や埋め込み型の分析、データドリブンアラート、データストーリー、データ変化レーダーなど、そうしたユーザー体験を実現するための機能強化を発表しているという。

画像1

 「現状のBIツールでは、データの価値を引き出すことが困難な人々がいる。ビジネスユーザーはデータを欲しているが、必ずしも探索したり分析したりしたいわけではない。あくまで“データコンシューマー”としてアクションにつながるインサイトを求めている。われわれは、データコンシューマーのための次世代型のアナリティクスエクスペリエンスを向上させようとしている」(同氏)

画像2

 もう1つの戦略の柱が「データの土台」になる。単一の正しい情報源として完全で信頼性の高いデータのビューを提供するためのデータ基盤として位置付けられるのが新機能の「Salesforce
Customer Data Cloud, powered by Tableau」になる。Arellano氏によると、Tableauのデータエンジンを搭載することで、「顧客データを単一の正しい情報源に統合することができたら」「その単一の正しい情報源がリアルタイムだったら」「リアルタイムデータを瞬時にインサイトに変えることができたら」といった要望に応えられるという。

 ただ、多くのビジネスユーザーがインサイトを受け取った後、アクションにつなげられていないという。「せっかく手に入れたインサイトも、そこからアウトカムを生み出すことができなければ価値を認めることができない」とArellano氏は語る。

 課題はインサイトとアクションの間にあるギャップで、それを埋めるにはどうすればいいか。同氏は「ビジネスユーザーにインサイトを届けるだけでなく、アクションを起こすことができる仕組みが必要だ」と言い、Tableauではアクションやワークフロー自動化のためのフレームワークなど、さまざまな機能群を提供していると強調した。

画像3

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    【マンガ解説】まだ間に合う、失敗しない「電子帳簿保存法」「インボイス制度」への対応方法

  2. ビジネスアプリケーション

    きちんと理解できていますか?いまさら聞けないインボイス制度の教科書

  3. 経営

    ヒヤリハット管理--トラブル防止のデジタル化でもたらされるメリットとは?具体的なイメージを紹介

  4. セキュリティ

    マンガでわかる―Webサイトからの情報搾取を狙うサイバー攻撃「SQLインジェクション」、どう防ぐ?

  5. セキュリティ

    緊急事態発生時にセキュリティを維持するための8つの戦略と危機管理計画チェックリスト

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]