「Debian」ベースの「Linux」ディストリビューションは、数え切れないほど多く市場に出回っている。だが、生産性とゲームの両方に対応しているものに限定すれば、選択肢は大幅に絞り込まれる。そうした選択肢の1つが「Netrunner」だ。
公式ウェブサイトには次のように書かれている。「Netrunnerは、PC、ノートブック/ネットブック、ARMマイクロコンピューター向けの本格的なLinux OSであり、『KDE Plasma』デスクトップ環境のみを使用する」。この説明はかなり舌足らずだと思う。なぜなら、Netrunnerは本格的なLinux OSであるだけでなく、娯楽と仕事のためのプラットフォームでもあるからだ。
多数のアプリケーションがプリインストールされているため、サードパーティー製ソフトウェアをあまりインストールしなくても、すぐにゲームプレイや作業を始められる。
追加する必要がありそうなツールは、「Spotify」や「Slack」といったものだけだろう。それらに関する注意事項は、先に「Snap」か「Flatpak」をインストールする必要がある点だ。
その注意点を別にすれば、Netrunnerは素晴らしいデスクトップOSであり、さまざまなタイプのユーザーを満足させるはずだ。
では、このLinuxディストリビューションが提供する機能を最新版のバージョン23(「Vaporwave」)で見ていこう。
KDEを少し違った角度から解釈
最初に気づくことの1つは、NetrunnerがKDEを微調整して、少し違ったルックアンドフィールにしていることだ。これは特に、デスクトップメニューをクリックしたときによく分かる。「Dash」と「Simplemenu(Core)」を利用したオーバービュー風のオプションが開き、このオーバービューから、お気に入り、インストール済みアプリケーションが分類されたメニュー、検索機能、最近開いたファイル、パワーメニューにアクセスできる。
NetrunnerのデスクトップメニューはKDEと若干異なる。
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
開発者は他にも以下のような点でKDEを変更した。
- 展開アイコン付きのタスクマネージャー
- オーバーレイのないフォルダービューのデスクトップアイコン
- 画面右下にデスクトップ表示のホットスポットを配置
- KDEと非KDEのアプリケーションの見た目を統一
- GTKアプリに「Kwin」ボーダーを使用(GTKの装飾ではない)
- 「Kvantum」テーマエンジン
- 高度な「Dolphin」ツールバー
- 「Firefox」に広告ブロッカーとPlasma統合が付属
- 「KWallet」が自動で起動
- アイコンをダブルクリック(デフォルトのシングルクリックではない)
Steamをすぐに使用可能
ゲーマーにとってはさらに嬉しいことに、Steamがインストールされており、すぐに使用できる。Steamのアイコンをクリックすると、必要なものがすべて自動でダウンロードされ、Steamのサインインウィンドウが表示される。既存のアカウントでログインするか、新しいアカウントを作成しよう。
ログインすると、無料ゲームをプレイすることも、欲しいゲームをすべて購入することもできる。
Steamがインストールされているので、お気に入りのすべてのゲームをLinuxでプレイできる。
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET