事例

損保ジャパン、対話型AIでコールセンター受電能力を世界最大級に増強

ZDNET Japan Staff

2023-01-26 14:47

 損害保険ジャパン(損保ジャパン)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月26日、NTT Comが開発した対話型人工知能(AI)技術を使って、損保ジャパンのコールセンターにおける保険金請求の受電能力を毎時最大3000件規模に増強したと発表した。損保ジャパンは、同社調査でこれが世界最大級かつ日本初になると説明している。

 この取り組みでは、NTT Comの対話型AI「COTOHA Voice DX Premium」を用いた。両社は、2020年に災害時での保険金請求の受付手続きに対話型AIを使う実証実験を行うなど、AIの有効な活用方法を模索してきたとのこと。損保ジャパンによれば、大規模な自然災害が発生すると、一時的に顧客からの問い合わせが集中する。ウェブサイトやコミュニケーションアプリ「LINE」でも問い合わせを受け付けているが、多くの顧客が電話を使うという。

イメージ(出典:NTT Com)
イメージ(出典:NTT Com)

 新たな仕組みでは、顧客がサポートセンターに電話して対話型AIを選択(混雑時は自動的に対話型AIへ接続する場合がある)すると、対話型AIが請求手続きに必要な氏名や電話番号、被害状況などの情報を顧客からヒアリングし、システムへデータを自動投入する。

 損保ジャパンは、もし首都直下地震が発生すれば、直後に顧客からの問い合わせが平時の100倍以上になると試算する。通常の仕組みではサーバーがダウンして対応不能に陥る恐れがあり、新たな仕組みをクラウド上に実装して試算規模の問い合わせに対応し得る容量を確保したとする。

 今後は、携帯電話で問い合わせた顧客にショートメッセージ(SMS)を送信し、顧客が被害状況の写真などを送信できる仕組みも導入するという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]