HPE、データストレージサーバー「Alletra 4000」を発表--クラウドの「あたりまえ」をオンプレミスで

藤本和彦 (編集部)

2023-02-02 16:30

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2月2日、新しいデータストレージサーバー「HPE Alletra 4000」シリーズを発表した。拡張性と柔軟性の高いデータ活用基盤を提供し、企業のデータ活用を促進するとしている。

 同日開催の記者会見に登壇した執行役員 データサービス事業統括本部長 兼 HPC・DATA&AIソリューション事業統括 本部長の根岸史季氏は、まずストレージ製品の管理組織を「コアプラットフォーム事業統括」から「データサービス事業統括」に変更したことを紹介し、単なる「データの倉庫」の販売組織から、「データ活用インフラ」の提供組織へと位置付けが変わったことを強調した。

 その上で、「HPE Alletra」については、ハイブリッド環境での適材適所なデータの配置を可能にするクラウドネイティブなデータインフラストラクチャーと位置付け、「クラウドと完全に連携できる単なる『データの倉庫』ではない、データ活用を可能にするインフラ」だと説明した。

 データサービス事業統括本部 ストレージ製品本部製品部 エバンジェリストでカテゴリーマネージャーの山中伸吾氏は、新製品を「クラウドの『あたりまえ』を自社内システムで実現するソリューション」を説明。一般的なサーバー製品よりも多くのSSD/HDDを搭載できる用途特化型サーバーで、大量のデータを取り扱うワークロードでの利用が想定されている。

 「Qumulo」「Cohesity」「Scality」といったSoftware Defined Storage(SDS)ソリューションと組み合わせ、クラウドと同様の幅広い性能・容量の拡張性を備え、管理が容易なデータ活用基盤の構築を可能にする。

さまざまなSDSソリューションに対応
さまざまなSDSソリューションに対応

 Alletra 4000シリーズは、これまでブロックストレージ製品のみで構成されていたAlletra製品群を拡張する製品で、初のデータストレージサーバーになる。第4世代の「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」(Xeon SP)を搭載し、リアルタイムデータ処理、ランサムウェア対策、コンプライアンス対応とeディスカバリー(電子証拠開示)、ビデオ監視、医療画像、機械学習のトレーニングと推論、バッチ分析、即時共有用コンテンツのリポジトリー、データの統合とオフロードなどで利用されることを想定している。

 製品ラインアップは「HPE Alletra 4110」と「HPE Alletra 4120」の2機種。Alletra 4110 は、1UのNVMe対応オールフラッシュデータストレージサーバーで、第4世代Xeon SPを最大2個、DDR5メモリーを最大3TB搭載する。SFF規格のNVMe SSDを最大20本搭載するモデルに加え、新規格のEDSFF SSDを最大20本搭載するモデルを用意する。機械学習用データストア、分散データベース、NoSQLデータベース、高性能SDSなど、高速なデータアクセスが必要なワークロード向けに設計されている。

HPE Alletra 4110の詳細 HPE Alletra 4110の詳細
※クリックすると拡大画像が見られます

 Alletra 4120は、2UのハイブリッドSSD/HDD対応ハイブリッドデータストレージサーバーで、第4世代Xeon SPを最大2個とDDR5メモリーを最大6TB搭載する。LFF規格のSSD/HDDを最大28本(前面24本+背面4本)、SFF規格のSSD/HDDを最大54本(前面48本+背面6本)搭載可能。1台(2U)で最大829.44TB、1ラック(42U)で最大17.4PBまで搭載可能となっている。データレイク、SDS、統合データ保護、ディープアーカイブなど、大量のデータを管理・保存が必要なワークロード向けに設計されている。

HPE Alletra 4120の詳細 HPE Alletra 4120の詳細
※クリックすると拡大画像が見られます

 価格は、Alletra 4110が501万200円から、Alletra 4120が397万9500円から。両モデルとも2月2日に受注を開始し、3月中旬に出荷を開始する。

 Alletra 4000の導入、監視、管理は、パブリッククラウドの管理と同様に、クラウド上の管理コンソール「HPE GreenLake for Compute Ops Management」を通じて行う仕組みになっている。また、従量課金型サービス「HPE GreenLake」を用いて利用することも可能となっている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]