生成型の人工知能(Generative AI)は、音声やコード、画像、テキスト、シミュレーション、動画などの新たなコンテンツを生み出すことができるアルゴリズムだ。生成型AIのアルゴリズムは、機械学習モデルを用いて以前の単語列から次の単語を予想したり、以前の画像を説明する単語に基づいて次の画像を予測したりすることができる。生成型AIは、ほぼリアルタイムで説得力のあるコンテンツを生成できるため、企業が関係者に対してより上手に情報を伝えられるコンテンツを生成することができる。
提供:ChatGPT
そこには限界もあるし、生成型AIが企業に与える影響についてはまだ理解され始めたばかりだ。生成された情報は間違っているかもしれず、偏見に満ちているかもしれず、非倫理的かもしれないため、そのコンテンツによって、評判が傷つくリスクや法的なリスクが発生する可能性もある。生成型AIの利用に関連するリスクは、最初に使用するデータソースやトレーニングモデルを慎重に取り扱い、倫理的かつ人道的なソフトウェアガイドラインやガバナンス原則を採用することによって緩和することができる。
CBInsightsの調査によれば、2022年は生成型AIを手掛けるスタートアップへの投資が最も多かった年で、株式発行による資金調達が110回実施され、調達額は26億ドルを上回ったという。とはいえ、生成型AIの分野はまだ黎明期にある。この分野がまだ初期段階にあることは、特定されている250社以上の生成型AI企業のうち33%がまだ株式発行による外部からの資金調達を行っておらず、 51%がシリーズAかそれ以前の段階にあることからも分かる。
生成型AIに対する投資家の関心は、2020年に大きく上昇した。 提供:CBInsights
では、生成型AIのどのような分野に投資が集まっているのだろうか。調査によれば、最も大きな投資カテゴリーはテキストで、中でもソーシャルメディアおよびマーケティングコンテンツ、部門横断APIなどに投資が集まっている。次が視覚メディアで、企業向けのAIアバターなどへの投資が大きい。3番目は生成型AIのインターフェースであり、そのサブカテゴリーにはヒューマンマシンインターフェース、汎用検索機能、生産性管理および知識管理がある。これらのカテゴリーに投資が集まっているのは、将来営業部門や、サービス部門、カスタマーマーケティング、eコマースなどが生成型AIから恩恵が受けられると考えられているからだ。では、生成型AIは従業員体験や顧客体験の改善にどのような影響を与えるのだろうか。
生成型AIのどのような分野に投資が向かっているのか。
提供:CBInsights