東海村と日立システムズ、共同研究により自治体BPR手法を構築

寺島菜央 (編集部)

2023-02-24 17:51

 茨城県那珂郡東海村と日立システムズは2月24日、2021年7月~2023年2月まで実施していたBPR(業務改革)共同研究の結果を発表した。これによると、総労働時間の1.21%(1万2680時間)の業務量削減が見込めるという。

 東海村では「とうかい“まるごと”デジタル化構想」に基づきDXを推進しており、両者が共同で推進していくため、2021年6月に連携協定を締結した。2021年度は、全27課のうち3課(税務課、住民課、学校教育課)を対象に、全ての業務量や内容を可視化した上で、業務量の削減案を検討、抽出した。

 2022年度では、最新の人口統計を基に業務量削減の目標値を見直し、2040年までに現在の業務量を5.8%(6万303時間)削減する目標を再設定。そのために2021年度の共同研究では至らなかった、全庁の業務の可視化やBPRによる業務量削減効果を測る検証、BPR手法の構築に取り組んだ。

共同研究における2040年度までの業務量削減目標値
共同研究における2040年度までの業務量削減目標値

 この取り組みの中で、全20課を対象に4339業務の業務内容と業務量を可視化し、総労働時間の1.21%に当たる1万2680時間相当の業務量削減案を創出した。同村は、削減案を基に業務改善計画を作成し、業務改善を実行。その結果、2022年度目標値である4185時間に対し、3968.7時間を削減できる見込みになったという。

 2022年度に実施した共同研究の内容は、(1)「庁内の業務内容・業務量の可視化」と「改善すべき業務の特定」、(2)「業務改善案を検討」、(3)「全庁的にBPRを実行する仕組みを整備・実行」――だ。

 (1)では、全課に業務抽出/把握アンケートを実施し、業務一覧や各業務の内容と量を抽出。結果、全29課で4339業務の業務内容と業務量(計36万4068時間/年)を可視化した。可視化した業務量を基にABC分析を行い、全業務時間の80%を占める592業務を優先的に改善すべき業務に設定した。

 (2)では、(1)で優先した業務の中から各課で選定した計174業務を対象に改善策を検討し、総労働時間の1.21%(1万2680時間)の業務量削減が見込める業務改善案を作成。この案を各課の実行計画として作成し、進捗(しんちょく)を管理した。

 (3)では、BPRを実行するための業務把握ツールやBPR運用ルールなどを整備した。また、改善案の実行計画を基に、業務内容の変更やRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)、AIを活用した光学文字認識(AI-OCR)などを導入。これにより、30業務で総労働時間の0.38%(3968.7時間)を削減する見込みだという。例えば、住民課ではマイナンバーカードの交付に関する業務にタブレットを用いて、交付後の説明を動画で行うことで年に363時間の削減ができるという。ほかにも、学校教育課では定例会や臨時会開催時の議事録の文字起こしにAIを用いることで年間720時間の削減につながるとしている。

 東海村は、この共同研究からBPR手法の有効性が確認できたため、共同研究の終了後もこの手法に基づきBPRを継続し、2040年度の削減目標の達成に向けて業務量削減とDX推進に取り組むとしている。また、これらの取り組みを通して、職員の改革意識を育み、住民のニーズに対応していくという。

 日立システムズは、AI-OCRやRPAなど業務量削減に向けた取り組みに必要なIT技術の提供を通して、今後も同村のBPRを支援していくとしている。

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