O'Reilly Mediaが同社の学習プラットフォームのユーザー280万人のデータを分析したところ、2022年に開発者の学習意欲が最も高かったテーマは予想通り、人工知能(AI)だったという。
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同社の「Technology Trends for 2023」(2023年版テクノロジートレンド)レポートによると、自然言語処理(NLP)に関するコンテンツの利用量は前年比42%増と急激に高まり、NLPを支えるディープラーニング(DL)に関するコンテンツの利用量も23%増という2番目の伸びを示したという。
O'Reillyによるこの学習トレンドの状況評価は、同社内部の「閲覧単位」(units viewed)という指標に基づいている。これは、ITワーカーや開発者らによる電子書籍の閲覧回数とともに、動画やオンライントレーニングコースの視聴回数をベースにして、主要なテーマごとに導き出したものだ。
テーマの中には上記のように関心の高まったものがある一方、薄れたものもある。強化学習(RL)のコンテンツに対する関心は前年比14%減となり、チャットボットのコンテンツに対する関心も5.8%減となった。
O'Reillyで新興テクノロジーコンテンツ担当バイスプレジデントを務めるMike Loukides氏が同社ウェブサイトに記したところによると、チャットボットの学習モジュールに対する閲覧単位の低下は「意外に思える」ものの、OpenAIの「ChatGPT」に対する関心や、「GPT-3」や「GPT-3.5」という大規模言語モデル(LLM)に対する関心を見た場合、後付けながら理にかなってはいるという。
Loukides氏は「GPT-3のリリースは、『今までに実行してきたすべての物事が時代遅れになる』という重大な転換点となる出来事だった。2023年にどういったことが起こるのかを楽しみにしているが、それはChatGPTのような成果物がどのように商用化されるのかによって大きく変わってくるだろう。というのもChatGPTが有料サービスとなり、MicrosoftとGoogleの双方もチャットベースの検索に向けて歩を進めているためだ」と続けている。
O'Reillyによるプログラミング言語の人気ランキングには、いくつかのサプライズがあった。JavaとPythonは他を大きく引き離してそれぞれ1位と2位となっており、わずかではあるがさらに人気を高めている一方、RustとGoはそれぞれ、22%と20%の増加となっている。Goは第3位であり、その後にはC++とJavaScript、C#、C、Rust、MicrosoftによるJavaScriptのスーパーセットであるTypeScript、R、Kotlin、Scalaが続いている。この順位はRedMonkやTiobe Softwareのランキングとは大きく異なっている。
インフラや運用の面では、コンテナーやLinux、「Kubernetes」が上位を占めている。前年と比べるとコンテナーへの関心は2.5%増加した一方、LinuxとKubernetesへの関心はそれぞれ4.4%増加した。Kubernetesエコシステムの一部であるサービスメッシュに関するコンテンツへの関心は28%減少し、Kubernetesと最も密接な関係にあるサービスメッシュの実装である「Istio」に関するコンテンツへの関心は42%減少した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。