Emmabuntusについて筆者がもっとも素晴らしいと感じた点は、デスクトップの設定(XfceとLXQtのどちらかを選択)から、追加のソフトウェアやアップデートのインストール、テーマの選択、ドックの種類の選択(最小限のものからあらゆる機能が含まれているものまで)に至るまで、最初に行うべきさまざまな作業を一通り行うまでのプロセスが非常によくできていることだ。開発者らは、新規ユーザーがどこで手助けを必要とするかをよく理解している。

EmmabuntusではXfceとLXQtのどちらにするかを簡単に選択できる
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
Emmabuntusの性能
以下の説明を読む際には、筆者が今回試したのは次期バージョンのベータ版であることを念頭に置いて欲しい。いくつかの小さな問題はあったが(そのほとんどは、ソフトウェアのミラーが壊れていたために、必要以上にインストールの処理に時間がかかったことに関係するものだった)、今回のテストに対する印象は非常によかった。
Emmabuntusは軽量なデスクトップを指向したディストリビューションであり、ユーザーは動作が高速であることを期待するだろう。実際、このOSの動作は非常に高速だ。RAMが3GBしかない仮想マシンにインストールされた筆者のEmmabuntusインスタンスは、32GBのRAMを搭載したホストのデスクトップOS「Pop!_OS」よりも高速に動作した。アプリケーションの起動は一瞬で、切り替えも瞬時に行うことができ、不安定さの兆候はまったく見えなかった(これはベータ版としては素晴らしいことだ)。実際、筆者がテストしている間、OSに待たされることは一度もなかった。
どれだけ欠点を探し回っても、このディストリビューションを他人に勧めることをためらわせるような点は見当たらなかった。このOSは驚くほど使いやすく、経験豊富なユーザーとっても十分に魅力的だ。また開発チームは、デフォルトであるXfceのデスクトップに華やかさを加えるためにいくつかの工夫をしており、その使い心地は、2000年代前半に設計されたインターフェースとは思えないものになっている。十分に新しく、慣れないOSを使っているとは感じないはずだ。
多数のアプリケーションがプレインストールされていることや、導入時の手助けが充実していること、性能が優れていることが相まって、Emmabuntusは誰にでもお勧めできるLinuxディストリビューションになっている。
唯一の難点があるとすれば、インストーラーが若干古いことかもしれない。将来的には、新しい「Ubuntu」のインストーラー(非常に美しく、限りなくシンプルだ)のようなものが採用されるかもしれない。しかし今のところは、従来のDebianのインストーラーを使うしかない。
もし、使いやすく、一緒に成長でき、期待以上のパフォーマンスを持つLinuxディストリビューションを探しているなら、Emmabuntusがぴったりだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。