「Fedora Linux」の最近のいくつかのリリースを目にするにつけ、筆者はそれまでのFedoraに対する自らの評価が大きく間違っていたと思うようになった。筆者はFedoraのことを、オープンソースのエコシステムを真に理解している人にしか使いこなせないLinuxディストリビューションだと考えていた。要するに、Fedoraは一筋縄ではいかない面を抱えていただけでなく、常に申し分のない安定感を有しているとは言い難いOSだった。しかし「Fedora 35」の頃からそうした状況は一変し、筆者は今ではこのディストリビューションがLinuxの新規ユーザーにとって有力な候補になると考えている。
提供:Jack Wallen
「Fedora 38」は、インストーラーからデスクトップ、搭載されているアプリに至るまで全てが素晴らしい。ベータ版であるにもかかわらずだ。筆者は今回、このベータ版をインストールし、評価した結果、大いに感銘を受けた。
Fedora 38の優れた点の多くは、「GNOME」チームの努力のたまものだと言える。Fedora 38は、GNOMEに注がれた努力の恩恵を受けており、使えばそのことを実感できる。「GNOME 44」によってパフォーマンスの向上や、バグへの対処、新たなスクリーンショットアイコン(「Quick Menu」にある)、Quick Menuに搭載された新たなBluetooth選択機能、大幅な機能向上を遂げた設定メニュー、ファイルマネージャーに対するさまざまな改善、GNOMEアプリの必要な更新全てが手に入るのだ。
しかし、GNOMEに関する話が全てではない。Fedora 38は以下のような機能や特長も有している。
- カーネル6.2
- 「Xfce 4.18」や「KDE Plasma 5.27」「MATE 1.26」「LXQt 1.2.0」といった、GNOME環境以外のアップデート
- デスクトップ環境である「Budgie」と「Sway」の採用
- 美しい壁紙の追加
- Unified Kernel(カーネルとinitrd、cmdline、シグニチャーを1つにまとめたEFIバイナリー)の初期サポート
- ライブメディア周りの著しい機能向上
- シャットダウンタイマーの短縮化
- Ruby 3.2
- PHP 8.2
- gcc 13
- LLVM 16
- Golang 1.20
そしてもちろんのことだが、搭載されているパッケージは全てアップデートされており(「Firefox 110.0」や「LibreOffice 7.5.0.3」など)、起動時実行アプリによって新規導入もはるかに容易になっている。このアプリを用いることで、ロケーションサービスや問題発生時の自動レポート機能の有効化/無効化のほか、サードパーティーのリポジトリーの有効化、オンラインアカウントへの接続、ユーザーの作成が可能になる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。