ファミリーマートは、仮想現実(VR)プラットフォーム「InstaVR」を活用した店舗スタッフ研修プログラムを3月から加盟店へ提供し、スタッフのスキルアップと教育の効率化に取り組む。ファミリーマートと同プラットフォーム提供元のInstaVRが3月28日に発表した。
研修中のストアスタッフが体験している景色イメージ
今回導入するInstaVRは全店舗のオペレーションマニュアルに対応しており、臨場感のある店舗オペレーションの体験学習と各コンテンツ受講後の理解度テストにより、短期間での修得が可能だという。店長が他の業務で忙しい場合などでもスタッフが自主的に学習できるため、教える側/教わる側双方の時間を有効活用することが期待される。また、管理システムで各スタッフの進捗(しんちょく)状況を把握でき、店長からスタッフへ適宜アドバイスすることで、理解度や学習意欲の向上につなげるとしている。
InstaVRを用いた研修プログラムは、全てのコンテンツが多言語対応しており、今後採用の増加が予想される外国籍スタッフの教育にも活用できるという。対応言語は、日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語、ミャンマー語、ウズベキスタン語、シンハラ語(スリランカ語)、ベンガル語(バングラデシュ語)の10カ国語。
VRを用いた研修プログラムを利用している様子
ファミリーマートは2020年度入社の新入社員の店舗研修においてInstaVRを導入。人が教育する場合と比較して約3分の1の時間で修得が可能となり、1人当たりの教育時間が教える側/教わる側双方で合計約60時間削減された。2021年度以降も継続して従業員教育に活用しており、自己学習の促進や教育の平準化、効率化に取り組んでいる。2021年2月から2カ月間、東京都や埼玉県などの一部店舗において実証実験を実施し、店舗スタッフの研修でも同様の教育時間の削減効果を確認できたため、今回の提供に至ったという。
InstaVRを用いた研修プログラムは、利用を希望する店舗が申し込み、月額利用料を支払ってレンタルする形をとる。導入対象地区は、宮崎県、鹿児島県、沖縄県を除く全国の都道府県としている。