ガートナージャパンは、世界のデータ/アナリティクス(D&A)リーダーを対象に実施した最新の調査結果を発表した。これによると、D&Aチームが効果的に組織へ価値を提供していると考える回答者は半数に満たない(44%)ことが分かった。
調査は2022年9~11月に、世界のD&Aリーダーを対象にオンラインで実施され、566人から回答を得た。
その他の結果では、実績がトップクラスのD&Aリーダーの43%は、プロフェッショナルとしての自身の能力開発に時間を割くことが有効だと回答。一方で、実績が低いリーダーで同様に回答した割合は19%だった。
また、最高データ/アナリティクス責任者(CDAO)が多くの職責を担っていることも明らかになった。その範囲は、D&A戦略の定義と実施(60%)、D&A戦略の監督(59%)、D&Aガバナンスの構築と実施(55%)、データドリブンな組織文化変革の管理(54%)など多岐にわたっている。
さらに、多くのD&A部門ではデータ管理(65%)やデータガバナンス(63%)、高度なアナリティクス(60%)などへの投資が拡大していることも明らかになった。平均的なD&A部門の予算は541万ドルであり、過去1年間に規模が拡大したD&A部門は44%に上る。
加えて回答者の78%が、D&A戦略へ反映させたい上位3項目の1つに「企業/組織の戦略やビジョン」を挙げている。さらに68%は、戦略目標に沿ったD&Aイニシアティブを優先させている。
D&Aイニシアティブの成功を阻む主な障壁 (上位3項目の合計)
調査では、D&A部門の成功を妨げる最大の要因として、39%が「人材不足」を挙げた。また、上位6つの障壁が全て「人」に関連する課題であることも分かった。
調査結果について同社は、CDAOが効果的なD&Aチームを構築するために即戦力となる人材の採用に頼らない強固な人材管理戦略を策定しなければならないとした。そして、中核となるD&A部門と広範なビジネス/テクノロジー部門の両方で、データドリブンな組織文化とデータリテラシーを促進するための教育、トレーニング、コーチングを行うべきだとした。