「ChatGPT」をはじめとする生成系人工知能(AI)モデルの高度な機能が注目を集めたことで、AIが非常に大きな話題になっている。現在でもすでに、AIモデルの危険性や、より高度なAIの開発に関するリスクについての懸念が高まっており、AIに関する政策を再検討する国や、ChatGPTの利用を一時的に禁止した国も出てきている。
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そして今度は、さらに強力なAIアプリケーションが登場した。それが「Auto-GPT」だ。
このアプリケーションは前途有望で、自律的に動作する能力を持っていることから、汎用人工知能(AGI)がどのようなものになるかを人類に初めて垣間見せてくれる存在になる可能性がある。汎用人工知能とは、人間に近いレベルの知的作業ができるAIのことだ。
3月30日に公開されて以来、多くの人がAuto-GPTに魅了されており、米国ではTwitterのトレンドにも、数日にわたって上位に入った。
Wow, #AutoGPT is trending #1 on Twitter!
— Significant Gravitas (@SigGravitas) April 12, 2023
Also top of the week on GitHub trending, where we've just reached 30k stars!
So great to see how inspired everyone is, very exited for the future of humanity.
Big things are coming. pic.twitter.com/gVFvX8uCcr
Auto-GPTとは何か
Auto-GPTは、オープンソースの実験的なPythonアプリケーションで、GPT-4を使って自律的に行動する能力を持っている。Auto-GPTは、人間の介入がほとんどなくてもタスクを実行でき、自分でプロンプト(生成系AIに対する言語による指示)を作成できる。
これは、最終的な目標をAuto-GPTに伝えると、その作業を完了するまでに必要になるプロンプトを、アプリケーションがすべて自分で作成してくれるということだ。
誰がAuto-GPTを作ったのか
Auto-GPTは、Significant Gravitasと名乗る開発者によって3月30日にGitHubに投稿された。このアプリケーションには、OpenAIの最新かつ最先端のAIモデルであるGPT-4が使用されている。
Auto-GPTには何ができるのか
Githubに投稿された情報によれば、Auto-GPTはインターネットへのアクセスと長期および短期のメモリー管理機能を持ち、テキストの生成にGPT-4を、ファイルの保管と要約にGPT-3.5を使用している。
コードのデバッグや電子メールの文面作成など、ChatGPTにできることは、すべてAuto-GPTにもできる。しかしAuto-GPTは、より高度な作業をより少ないプロンプトで実行することができる。
GitHubに投稿されたデモでは、目標を示すプロンプトのサンプルとして、「純資産を増やす、Twitterアカウントの影響力を増やす、複数のビジネスを開発し管理する」という目標が挙げられている。
GitHubに記載されているアプリケーションの制限には、Auto-GPTの出力は「現実世界の複雑なビジネスシナリオではうまく動作しない可能性がある」と書かれている。しかし、さまざまなユーザーが共有している実行結果を見れば、Auto-GPTが素晴らしい(そして役に立つ)成果を挙げる能力を持っていることが分かる。
Twitter上では、Auto-GPTを使ってアプリを作ったり、新しいスタートアップを立ち上げたり、医療分野の将来のような複雑な問題に取り組んだり、インターネット上で自分自身をストーキングしたりといった使い方が紹介されている。