シーメンスは、製造分野向けにデータやITの情報処理技術を活用する新ソリューション「Industrial Operations X」を発表した。同社の産業向けオープンビジネスデジタルプラットフォーム「 Siemens Xcelerator」を拡張するものとなる。
Industrial Operations Xでは、産業制御システム(OT)分野と情報処理システム(IT)の融合をコンセプトとする。OT分野にITのローコード開発やエッジ/クラウドコンピューティング、AIをなどを組み合わせることで、工場や生産ラインがより柔軟にかつモジュール化され、企業はクリック操作するだけでビジネス環境などの変化に柔軟に対応していけるとする。
ここでは、生産機械や工場のデータ取得、前処理、分析などのさまざまなアプリケーションを利用できる「SIMATIC WinCC Unified」システムや、「Visual Studio Code」ベースで開発ができるクラウドサービス「Simatic AX」、仮想化技術によりハードウェアに依存することなくアプリケーションの一元管理や柔軟な設定、制御、拡張などができるプログラマブル論理コントローラー(PLC)などをそろえる。
また、従来のスマート工場向けプラットフォーム「MindSphere」を発展させた「Insights Hub」を提供し、ローカル環境やクラウド上でのデータ分析を通じて、予測型の品質管理や予防保全などの生産オペレーションの高度化を支援するという。
同社は、「インダストリー4.0」を導入した工場において、1拠点当たり毎月平均2.2ペタバイトのデータが生成され、Industrial Operationsを通じてデータを活用することにより、最大30%の生産量の増加を実現できると説明している。