企業が従業員のITリテラシー向上のためにやるべき4つのこと

ZDNET Japan Staff

2023-05-09 06:25

 コロナ禍を経て多くの企業や組織が、オフィスと自宅などリモート環境を組み合わせて働く「ハイブリッドワーク」の導入を検討しているという。ガートナージャパンは、ハイブリッドワークにおいてデジタルを活用する「デジタルワークプレース」が重要であり、従業員のITリテラシーを向上させるために企業が取り組むべきという4つの事柄を発表した。

 同社は、デジタルワークプレースを「魅力的で柔軟性の高い職場環境を活用して、従業員の『デジタルデクステリティ』(テクノロジーを適用してビジネスの能力を高めようとする意欲や能力)を高めるビジネス戦略」と解説する。企業には、「リモートかオフィスかにとどまらず人を中心とした働き方の在り方が議論され、従業員自身が自分にとって最も働きやすく生産性の上がる場所や時間で働くことが求められる」とする。

 同社が企業に推奨する4つの取り組みは次の通りだ。

従業員がITリテラシーを向上させられる機会を継続的に設ける

 ITリテラシーの向上は、ITスキルを習得するだけでなく、それを使いこなす能力の向上も意味する。PC操作などの基本的なITスキルにとどまらず、セキュリティやデータ活用など、より高いスキルも含む。企業は、従業員のITリテラシー向上のために、研修などの集合型トレーニングの実施、各ビジネス部門にITスキルを浸透させるための実践コミュニティー(CoP)の設置と推進、ワークショップの実施、従業員が自ら学べるセルフトレーニングの機会を増やすなど複数のアプローチを組み合わせて推進することが重要になる。

ITスキルをビジネスと連動させ、目的に合わせて体系化する

 さまざまなスキルの向上に、やみくもに取り組んだ結果、どのスキルをどの従業員に身に付けさせるかが定まらず、漠然としたものになってしまっているケースが散見される。従業員が身に付けるべきスキルを内容によって、「コアスキル」(全社員が身に付けておくべきスキル)、「ロール別スキル」(職務にひも付くもので、現在持つべきおよび将来に向けて持つべきスキル)、「差別化スキル」(将来の企業競争力につながるスキル)の3つに分類、体系化する。

スキルロードマップを定期的に見直し、短期間で学べるアジャイルな方法を取り入れる

 必要なスキルは変化するため、定期的にスキルロードマップを見直し、継続的にスキルをアップデートさせるアジャイルな仕組みが必要になる。例えば、ビジネスニーズの変化に応じて必要なスキルを定義し仕事のフローに学習を組み込む、各役職への昇進タイミングで必ず身に付けるべきスキルを定義しキャリアロードマップとITスキルを連動させるなど、よりビジネスに寄り添った教育体系を作り上げることが求められる。特に「差別化スキル」は、企業のDX推進とひも付けることで、目的に沿ったスキルを定義できる。

スキル向上の意義を周知する

 スキルの獲得は、会社や組織のためだけではなく、従業員自身のキャリアを向上させ、変化に対する将来の保証となり、自身の価値を高めるという意味を持つ。スキルを身に付けた優秀な人材は条件のより良いところへ転職してしまう可能性もあり、企業は従業員に対して学ぶ手段を提供するだけでなく、「この会社にいると自分が成長できる」「元気になれる」「新しいスキルを獲得してビジネスで活躍できる」といった意識付けを行うことが最も重要になる。

 同社ディレクター アナリストの針生恵理氏は、これからのデジタルワークプレースではデジタルに適応した人を育てることが必須になり、ビジネス部門を含む全従業員が「デジタルデクステリティ」を高めて、自らの仕事を時代の変化に合わせて変えていく必要性が増していると解説する。「一方、これまでのIT教育は必ずしもこの変化にマッチしたものとは言えず、獲得すべきスキルの再定義や獲得のための新たなアプローチが求められている。企業は人材投資を戦略上の最重要項目と位置付け、従業員のITリテラシー向上、ビジネス部門側のITリーダーの創出に取り組む必要がある」と指摘している。

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