「LXQt」は、Linuxのデスクトップ環境としてはそれほど人気がある方ではないが、経験に関係なく、誰でもすぐに慣れるという特長を持っている。シンプルかつ高速で、視覚効果やアニメーションも最小限に抑えられており、信頼性はどのデスクトップと比べても見劣りしない。
Lubuntuのデスクトップは、2000年代前半に主流だったUIに近い。
提供:Jack Wallen/ZDNet
またLXQtは、「Ubuntu」の公式フレーバーである「Lubuntu」のデフォルトデスクトップ環境でもある。
LubuntuはUbuntuの公式フレーバー(Ubuntuを提供しているCanonicalが公式にサポートしている、Ubuntuから派生したバージョン)であるため、Ubuntuが備えている基本的な要素はすべて備えている。つまり、パッケージマネージャーの「Snap」や、必要になるかもしれないあらゆるリポジトリ、安定したカーネルが利用でき、仕事に必要なソフトウェアのほとんどがプレインストールされているということだ。
では、Lubuntuはどのようなユーザーに向いているのだろうか。詳しく見ていこう。
Lubuntuとは
筆者は、Lubuntuにログインするたびに2000年代前半にタイムスリップしたような気持ちになる。まず、LXQtのデスクトップは、通常のデスクトップが備えているインターフェースはすべて備えており、パネルやスタートメニュー、システムトレイ、デスクトップアイコンがある。このデスクトップは「Windows 95」や「Windows 7」に非常に似ており、それ以上のことはしようとしていない。
Lubuntuの操作が劇的にシンプルになっていることを考えれば、これは一般的なユーザーにとって、よいことだと言えるだろう。スタートメニューをクリックすると表示されるソフトウェアのカテゴリーは見慣れたものばかりで、驚くようなものはほとんどない。そこに欠けているのはメールクライアントだけだ。この問題を解決するには、スタートメニューから「システムツール」>「Discover」とクリックし、アプリストアを開けばいい。
驚く人もいるかもしれないが、LXQtのデスクトップ環境では、ソフトウェアをインストールするためのデフォルトツールに「KDE」の「Discover」を使用している。もっとも、LXQtが、KDEでも使用されているソフトウェアフレームワーク「Qt」を使用していることを考えれば、Discoverを借用するのは合理的だと言えるだろう。問題なく使えるのであれば、それを使えばいいのだ。ちなみにLubuntuではソフトウェアのインストールに、より古いタイプのGUIである「Muon Package Manager」も利用できる。
DiscoverはデフォルトでSnapパッケージに対応している。
提供:Jack Wallen/ZDNet
Discoverを使えば、Lubuntuに必要なアプリケーションを簡単にインストールできる。Snapに対応している点もDiscoverの強みだ。これは、「Slack」や「Spotify」のような、サードパーティのプロプラエタリソフトウェアもインストールできるということを意味する。
Lubuntuで何よりも重視されていることの1つが軽量さだ。アニメーションや視覚効果がないため、使ってみた人は、それまでに使った中でもっとも高速なOSだと感じる可能性が高い。アプリケーションは一瞬で起動し、ウィンドウの移動は軽快で、何をするにしてもラグが目立つようなことはない。
Lubuntuは本当に高速だ。
1つ例を挙げてみよう。筆者は、System76のデスクトップLinux PCである「Thelio」(RAMは32GB)でホストした、RAMが3GBしかない仮想マシンでLubuntuを実行しているのだが、ゲストOSであるLubuntuの方が、ホストOSの「Pop!_OS」よりもあらゆる面で高速に動作するのだ。これこそ、軽量OSを使う醍醐味だと言えるだろう。