ウィズセキュアは、同社のサイバーセキュリティエキスパートによるサポートを非政府組織(NGO)に提供すると発表した。
この取り組みは、NGO団体であるCyberPeace Instituteの「CyberPeace Buildersプログラム」を通じて提供される。CyberPeace Instituteは、大規模なサイバー攻撃の影響に対処するために設立された組織で、脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティーを支援する役割などを担っている。
CyberPeace Buildersプログラムは、サイバーセキュリティのエキスパートとNGOを結びつけることを目的としている。CyberPeace Instituteによれば、NGOがスタッフに対して定期的にサイバーセキュリティのトレーニングを行っているのは、10団体あたり1団体だけだという。また4分の3はネットワークを監視しておらず、5分の4はサイバーセキュリティにおけるプランを持っていない。一方、こうしたNGOは数百万米ドルから数十億米ドルの寄付金を管理しているため、サイバー攻撃者のターゲットとなりやすい。
ウィズセキュアによるサポートは、インシデント発生前の段階として、脆弱性スキャン、セキュリティ監査、侵入テスト、セキュリティ意識改革、セキュリティトレーニング、インシデントプランニング、セキュリティ演習などがあり、インシデント発生後については攻撃通知、セキュリティ強化、調査サポートなどが含まれる。またノンテクニカルなものとして、データ保護コンサルティング、サイバー保険に関するアドバイス、危機管理コミュニケーショントレーニング、組織内啓蒙資料作成なども提供される。
ウィズセキュアとCyberPeace Instituteは、2021年以降、情報収集、マルウェアのリバースエンジニアリング、サイバーインシデントのフォレンジック分析、サイバーリスク評価などの分野で協業してきた。CyberPeace Buildersプログラムによって、同社のリサーチャーやコンサルタントなどのセキュリティエキスパートが、サポートを必要とするNGOと直接つながることができるようになる。