日立製作所(日立)は5月25日、DEI(多様性、公平性、包括性)推進の一環として、LGBTQIA+(性的マイノリティーの総称)の人々への連帯を示す「Hitachi Pride Logo」を策定し、6月の「プライド月間」に合わせて公式ソーシャルメディアなどで使用すると発表した。プライド月間では、世界中でLGBTQIA+の権利を啓発する活動やイベントが行われている。
LGBTQIA+との連帯を示すHitachi Pride Logo
日立は、従業員のバックグラウンド、年齢、性別、セクシャリティー、家族構成、障がい、人種、国籍、民族、宗教といったダイバーシティーにおける全ての要素を価値の源泉と捉えているという。そのため同社は、一人一人を公平に扱い、多様かつ包括的な組織に向けて、LGBTQIA+を含むあらゆる人々が受け入れられ、尊重され、自由に発言でき、組織に貢献できると感じられる環境づくりに取り組んでいるとしている。
LGBTQIA+に対する認知や理解促進について同社は、さまざまな施策をグローバルと地域独自の両方で実施してきた。例えば、2020年春季交渉において、「同性パートナーを持つ従業員への各種手当、勤務制度などの適用」を会社から労働組合への提案事項として議論し、2020年4月から制度・運用面の見直しを実施。これにより、日立と複数の国内グループ会社では、同性パートナーを有する従業員は異性のパートナーを有する場合と同様に、家族看護休暇や育児・仕事両立支援金といった社内制度を利用できるようになった。
2022年6月には、国内の日立グループの全従業員を対象に、LGBTQIA+に関する知識を学ぶ「日立グループ LGBTQ+カフェセミナー」をオンラインで開催し、31社から従業員が参加。グローバルにおいても、従業員向けのメッセージを社内メディアで配信するとともに、社内SNSを活用してLGBTQIA+の人々への理解促進を図った。2023年度は、グローバル統一のガイドブックを作成して従業員へ配布するほか、日立ヴァンタラや日立エナジーをはじめとする国内外のグループ企業でも従業員向け交流イベントやウェブセミナーの開催などを計画している。
今回発表された日立のレインボーロゴでは、コーポレートロゴの色を変更し、虹色のしま模様にしている。昨今、多様性のシンボルとして用いられている「プログレスプライドフラッグ」の考えを土台とし、虹を構成する6色に、白、ピンク、水色のトランスジェンダーカラーと、茶色と黒の人種的なマイノリティーを表す色を加えた計11色で表示することで、LGBTQIA+を含む多様な個人に寄り添い、アクションを起こすという同社の企業姿勢を表している。
日立のChief Sustainability Officer 兼 サステナビリティ統括本部長 兼 Chief Diversity, Equity and Inclusion Officerを務めるロレーナ・デッラジョヴァンナ氏は「当社は従業員のダイバーシティーを、イノベーションを解き放ち、お客さまや社会全体へより良い価値を提供するための大切な資源だと考えている。そのため、われわれは人種、性別、セクシャリティーなど多様なバックグラウンドを持つ従業員が尊重され、組織に生き生きと貢献できると感じられるような働く環境をつくることに取り組んでいる。これらの新たな歩みが、社内外の変革をインスパイア(啓発)することを願っている」とコメントしている。