Okta Japanは、顧客アイデンティティーのトレンドを取りまとめた調査報告書「Okta Customer Identity Trends Report」を発表した。これによると、世界の回答者の41%(日本43%)は、サインアップ時の長い入力フォームに煩わしさを感じ、44%(日本29%)が個人情報や機密情報を入力することに抵抗を感じていることが分かった。
また、世界の回答者の33%(日本34%)は、特定の要件を満たすパスワードを作成しなければならないことに不満を感じており、28%(日本27%)は、新しいオンラインサービスを利用するたびに新しいパスワードを作成する必要があることに、煩わしさを感じていた。
この調査は、英国、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、アイルランド、スペイン、イタリア、スイス、米国、カナダ、オーストラリア、日本、韓国の14カ国の2万人以上の18歳以上の消費者を対象に、2022年8月と2023年2月の2回、オンラインで実施された。日本では2000人以上が対象となっている。
その他の結果として、消費者が持っているアクティブなオンラインアカウント数は、世界の回答者の38%(日本34%)が10~20個、27%(日本24%)が20~50個、11%(日本6%)が50個以上になることが分かった。
また世界の回答者の65%(日本68%)は、管理しなければならないユーザー名とパスワードの数に圧倒されていると感じていた。さらに39%(日本33%)が、ユーザー名やパスワードを忘れてアカウントにログインできないことが月に1回以上あると回答し、18%(日本11%)が少なくとも週に1回以上この問題に遭遇していることも分かった。
購入行動について、世界の回答者の60%(日本42%)は、ログインプロセスがシンプルで安全かつ摩擦がなければ、サービスを購入する可能性が高くなると回答している。
オンラインサービスに実装して欲しいセキュリティ対策としては、世界の回答者の53%(日本29%)が「ユーザーネームとパスワード」と回答。33%(日本44%)が生体認証、42%(日本31%)が多要素認証だと回答している。なお、日本では生体認証を希望する割合が高く、ソーシャルログインが低い傾向にあったという。
プライバシー設定や共有する個人データの制限など、あらゆる業界における個人データのコントローについても尋ねた。その結果、個人データのコントロールを重視する業界として、世界の回答者の86%(日本76%)が金融サービスと保険分野、83%(日本73%)がヘルスケア分野、81%(日本72%)が公共分野を挙げた。
個人データのコントロールとユーザーの利便性の関係については、欧米の消費者は、どの業界に対しても個人データのコントロールを重視している。日本の消費者は、より良いユーザー体験のために個人データのコントロールについて一定程度妥協すると回答する割合が高い傾向にあった。特に「リテール&ホスピタリティー」(日本45%)、「メディア&エンターテインメント」(日本43%)、「交通&トラベル」(日本41%)でその割合が高くなっていることが分かった。