NTT西日本は、膨大な作業量を抱える通信回線の開通業務を効率化するために、システム連携とデータ統合および一元管理の基盤を米Oracleのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)で構築した。日本オラクルが5月31日に発表した。
NTT西日本は、2025年度を目標とする現中期経営計画「Your Value Partner 2025」の中で各種業務のデジタル化、自動化、標準化を推進しており、今回の取り組みはその一環になる。30府県を所管する同社の通信回線の開通業務は、開通、変更、廃止などを含め膨大な量になるといい、これまで各部署の担当者がオンプレミス環境にある異なる網に配置された複数の業務システム内のデータを参照しながら、大半の業務を手作業で行っていたという。
具体的に今回の取り組みでは、回線業務の効率化を内製で低コストに実現することを目指し、大幅なシステム改修を避けながら、パブリッククラウドでシステム連携とデータ統合基盤を構築する方法を選定した。構築や運用管理の負荷を軽減し、ローコード開発や自律型データベースなどのサービスを従量課金で低コストかつ安全に利用できるとして、2021年12月にOCIの採用を決定した。
同社は、日本オラクルのコンサルティングの支援を活用し、業務システムから送信されるデータの統合と一元化に自律型データベースサービスの「Oracle Autonomous Database」、データから開通業務の進展状況を一元的に確認できるユーザーインターフェース開発にローコード開発ツールの「Oracle APEX」などを利用して、2022年12月に実装を終えたとのこと。こうして構築した新環境は2023年2月から稼働している。既存の基幹システムに手を加えることなく、現在では基幹システムからの大量の回線開通に関わるデータを自動的に仕訳、データベース化し、必要なデータを検索できるようにしている。