情報処理推進機構(IPA)は6月19日、制御システム(OTシステム)への侵入検知製品(IDS)の導入を検討する際の資料となる「産業用制御システム向け侵入検知製品等の導入手引書」(PDF)を公開した。
同資料は、「1章:手引き作成の背景と目的」「2章:侵入検知製品等の基本事項」「3章:侵入検知製品等の導入の進め方」「4章:侵入検知製品等の導入後の留意点」の全74ページで構成されている。
導入手引書(出典:IPA)
IPAは、OTシステムのネットワークや機器のOSでオープン化が進み、ITシステムで使われるネットワークとOSがOTシステムでも利用されたり、経営最適化や制御システムの運転効率向上などの目的でOTシステムの情報をITシステムで分析するために、OTシステムを外部ネットワークに接続したりする機会が増えていると指摘する。
こうした背景からOTシステムでは、ITシステムのようなセキュリティリスクが増大し、サイバー攻撃などの脅威を防御するだけでなく、ITシステムと同様に検知し対応することが重要だと解説する。このため近年は、OTシステムのネットワークプロトコルに対応したIDSが登場している。ただ、OTシステムでIDSを導入・運用するには、OTシステムの可用性などの観点からITシステム向けとは異なる点があり、現場の負荷が懸念されるとする。
同資料は、IPAが2022年9月に公開した「産業用制御システム向け侵入検知製品の実装技術の調査」に基づいて作成された。
内容は、2章ではIDS製品の検知手法の種類と長所・短所、方法、導入時の留意点、3章では現状把握や製品選定、試験運用の方法、チューニング、検知した脅威への対応方法、4章では検知ポリシーの改善や他システムとの連携などを取り上げている。