人工知能(AI)分野の研究/開発はここ数カ月間で爆発的な増加を見せているが、AIの開発競争は何年も前から世界各国で続けられている。Tortoise Mediaは2020年以来、AI分野の覇権を狙って競い合う国々をランク付けした「Global AI Index」を毎年公開している。その同社が現地時間6月28日、最新版のランキングを公開した。
提供:Tortoise Media
4回目となるこのランキングは、「ChatGPT」が2022年に公開され、成功を収めたことをきっかけとする、生成型AI開発の急増を反映したものとなっている。
同社は、AI開発における各国のランキングを決定する上で、投資とイノベーション、実装という3つの尺度を使用している。
2位を大きく引き離してトップの座に輝いたのは、100点中100点を獲得した米国だ。米国は 3つの尺度全てで1位となっており、特に投資基準で突出している。これは商用投資、すなわち新興企業の活発さという点で高いスコアを獲得したことが大きな理由となっている。
生成型AI分野で現時点において先頭集団を形成している企業がGoogleやMicrosoft、さらに忘れてはならないOpenAIといった米国企業であることを考えると、これは納得のいく結果だ。
米国の後には100点中62点を獲得した中国が続いており、米国と中国は2020年にそれぞれ1位と2位の座を得て以来、その地位を守ってきている。しかし、3位以降の順位は変動している。
2020年と2021年に3位となっていた英国は、ここ数年で大きな成長を遂げているシンガポールに抜かされて4位に順位を落とした。シンガポールは2020年には14位だったが、2021年に6位、2023年には100点中50点を獲得して3位の座を得た。
この総合ランキングは、各国のAIにおける能力(スケール)を数値化したものだが、人口や経済規模に比した相対的能力(インテンシティー)の高い国々についても言及しておく価値があるだろう。この調査によると、シンガポールとイスラエル、スイスはインテンシティーという点で群を抜いており、「人口と経済規模から見た、AIの相対的能力はトップクラスだ」という。
AI分野における競争は加熱しており、より多くの国々がAI競争に打ち勝つためにリソースの強化を図っている。2024年のランキングでも変動があるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。