筆者はずっと以前から、技術的な観点から言えば、「Linux」は世の中で思われているほど難しくないと主張し続けている。また、有名なディストリビューション(例えば「Ubuntu」「Linux Mint」「Fedora」など)に新しいバージョンがリリースされるたびに、その主張を裏付ける材料を示してきた。
Solusは、何のカスタマイズもしていない状態でも非常に使いやすいデスクトップだ。
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNet
しかし、シンプルさの限界に挑戦しているのは有名なディストリビューションだけではない。マイナーなディストリビューションも、誰もがLinuxエコシステムを楽しめるようにすることに貢献している。実際、マイナーなディストリビューションの中には、メジャーなもの以上に使いやすさを追求しているものもある。
最近リリースされた「Solus 4.4」には、「Budgie」「GNOME」「KDE Plasma」「MATE」の4つのデスクトップが用意されている。ただし、4.4がMATEに対応する最後のバージョンであることには注意が必要だ(これは、「Solus」の開発者が、MATEは「Wayland」の開発に追いついていないと考えているためだという)。
筆者は今回、Solusの「フラッグシップ」デスクトップ環境に位置付けられているBudgie版を試してみたのだが、非常に良い印象を受けた。正直に言えば、筆者自身は、Solusの開発者がBudgieで採用したレイアウトよりも、もっとモダンな見た目のデスクトップの方が好みだ。しかしほとんどのユーザーにとっては、この一般的なパネル、システムトレイ、デスクトップメニュー、デスクトップアイコンの配置は、今まで使ってきたデスクトップに似た、なじみのあるものに感じられるだろう。
デスクトップメニューをクリックすると、インストールされているアプリケーションがカテゴリーごとに表示され、そこから起動できるようになっている。メニューには「Firefox」「LibreOffice」「Thunderbird」「Celluloid」(動画プレーヤー)「Rhythmbox」(音楽プレーヤー)「Budgieコントロールセンター」などのアプリが並んでいる。必要なものが見つからなければ、ソフトウェアセンターからアプリケーションをインストールすればいい。ほかにも「Snap」と「Flatpak」の両方が使えるため、インストールできるアプリケーションは(プロプラエタリのものを含めて)非常に多い。唯一の問題は、ソフトウェアセンターがSnapやFlatpackに対応していないことだろう。そのため、SnapやFlatpakのパッケージは、コマンドラインからインストールする必要がある。
Solusのデスクトップメニューからは、インストールされているアプリケーションに簡単にアクセスできる。
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNet
ベースになっているのはLinuxカーネル6.3.8であるため、使う必要があるハードウェアには、大抵の場合対応しているはずだ。
また、筆者はこれが何らかの異常なのかどうか判断できなかったのだが、snapd.apparmorが有効になっていないため、一部のsnapアプリケーションが起動しないことも分かった。筆者は、この問題を解決するため、次のコマンドを実行しなければならなかった。
sudo systemctl enable --now snapd.apparmor
このコマンドを実行した後は、すべてのSnapアプリケーションが問題なく動作した。