GitHub、「GitHub Enterprise Server 3.10」を一般提供

河部恭紀 (編集部)

2023-08-30 14:52

 GitHubは米国時間8月29日、「GitHub Enterprise Server(GHES)3.10」を一般提供した。セキュリティとコンプライアンスに対する制御の向上により、レポジトリーのさらなる管理が可能になり、安全な開発を優先できるようになるという。

 GHES 3.10では、「GitHub Projects」が一般提供され、チームの作業をGitHubで直接計画・追跡できるようになった。スプレッドシートのように構築されたプロジェクトテーブルは、イシューやプルリクエストのフィルター処理、並べ替え、グループ化を可能にするライブのワークスペースを提供する。管理者は、全体の作業をより可視化でき、開発チームは、より効率的に共同作業ができるようになる。

 「GitHub Actions」用のカスタムデプロイ保護規則もベータ版として利用可能となった。チームは、独自のカスタムデプロイ保護規則を作成し、デプロイが品質、セキュリティ、手動承認の全要件を満たす場合のみに本番環境に適用する厳格なガードレールを設定できる。

 さらに、GitHub Actionsのランナーに対するセキュリティと管理について、新たな制御も提供された。リポジトリーレベルのセルフホストされたランナーを組織やユーザーネームスペース全体で無効にし、全てのジョブが中央管理されたマシンでホストされるようにできる。セルフホストされたランナーを中央管理することは、ランナーがワークフロー内で信用できないコードによって損なわれないようにするベストプラクティスだとGitHubは説明する。

 リポジトリー上で「Code Scanning」を設定することは、新しい「デフォルト設定」により、2クリックで可能になった。.yamlファイルを使用する必要はない。さらに、デフォルト設定を使うことで、複数のリポジトリーに対するCode Scanningを一度に有効化できる。

画像1

 「Dependabot」、Code Scanning、「Secret Scanning」を組織全体で有効にすることで、中央のセキュリティチームがリポジトリー全体でカバレッジとリスクを追跡することが容易になったという。リスクとカバレッジに関するインサイトは、組織レベルの「Code Security」ページに含まれる。

 Code Scanningで「Swift」もサポートされた。バージョン3.9での「Kotlin」のサポートと合わせて、Code Scanningを支えるエンジンである「CodeQL」が「iOS」と「Android」の開発言語に対応したことになる。ただし、Swiftはデフォルトのセットアップ言語としてまだサポートしておらず、今後のリリースで追加される予定だという。

 他の主な追加としては、よりきめ細かな制御が可能になった個人用アクセストークン(PAT)、さらなるコンプライアンスニーズに対応したブランチ保護ルール、高速化されたインスタンスのバックアップなどが含まれる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. セキュリティ

    あなたの会社は大丈夫?--サイバー攻撃対策として必要な情報セキュリティの早分かりガイドブック

  5. セキュリティ

    いまさら聞けないPPAPの問題点、「脱PPAP」を実現する3つの手法と注目の"第4のアプローチ"とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]