自動運転技術を活用した物流インフラの構築を目指すT2は9月1日、シリーズAラウンドで総額35億円の第三者割当増資を実施したと発表した。引受先は、宇佐美鉱油、東邦アセチレン、三井住友海上火災保険、三井倉庫ロジスティクス、JA三井リース、KDDI、紀陽キャピタルマネジメント、大和物流、三井住友信託銀行の9社。
T2は、三井物産とPreferred Networks(PFN)の共同出資で2022年8月に設立され、2023年4月には高速道路上での自動運転トラックの自律走行を成功させている。同年6月にプレシリーズAとして12億5000万円の資金調達を実施、今回の投資ラウンドと合わせた調達額は47億5000億円となる。
代表取締役で最高経営責任者(CEO)の下村正樹氏は、今回の資金調達によって、レベル4自動運転技術を活用した幹線輸送サービスの開発を加速させるとともに、物流・金融・通信・化学・小売などの業界と共同で自動運転技術を活用した物流インフラの構築を推進していくとしている。
レベル4自動運転とは、高速道路の特定条件下におけるドライバー不在の完全自動運転を意味する。T2は、運送会社や荷主が主な顧客になると想定し、まずは東京~大阪間で幹線輸送サービスを提供する予定。政府のロードマップに沿う形で、2025年度の事業開始を目指している。
近年、物流業界の2024年問題をはじめ、トラック運転手不足に起因する輸送能力不足が社会問題となっている。そうした課題解決策の一つとして、トラックの自動運転技術が期待されている。
T2 代表取締役CEO 下村正樹氏(中央)と、左前列から三井倉庫ロジスティクス 代表取締役 社長執行役員 鳥井宏氏、三井住友火災保険 常務執行役員 本山智之氏、東邦アセチレン 代表取締役社長 池田悦哉氏、宇佐美鉱油 常務取締役 財務人事本部長 細野剛生氏、左後列から三井住友信託銀行 インパクトエクイティ投資部長 穴繁康氏、大和物流 代表取締役社長 木下健治氏、紀陽キャピタルマネジメント 投資部長 森田博全氏、KDDI 技術統括本部 技術戦略本部長 大谷朋広氏、JA三井リース 常務執行役員 保﨑隆行氏