生成人工知能(AI)は近い将来、コード生成だけでなく、そのほかのソフトウェアに関する業務でも頻繁に使われるようになると見込まれている。Gartnerは最新の分析で、ソフトウェアエンジニアリング責任者の大多数が、日常業務に生成AIを取り入れるようになると予想している。
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同社は、2025年までに、半数以上のソフトウェアエンジニアリング責任者の業務内容に生成AI利用の監督が明記されるようになると考えている。これは、ソフトウェア責任者の職務範囲を、アプリケーションの開発やメンテナンス以外にも拡大する必要があることを意味している。
GartnerのアナリストであるHaritha Khandabattu氏は、生成AI利用の監督業務には、チームの管理、人材管理、事業開発、倫理の徹底が含まれると述べている。生成AIがあれば開発者が必要なくなるわけではないが、生成AIにはソフトウェアエンジニアリングの一部の側面を自動化する能力があるという。同氏は、生成AIには人間が持つ創造性や批判的思考、問題解決能力を再現することはできないものの、人間の力を増大させる役割を果たすと考えている。
業界のさまざまなリーダーが、生成AIは開発者の生産性向上ツールであるだけでなく、ソフトウェア責任者が理解し、推進する必要のあるビジネスチャンスでもあるという考えに同意している。Dell Technologiesのグローバル最高技術責任者John Roese氏は、「AIプロジェクトは単なる技術プロジェクトではない」と話す。「優れたAIプロジェクトは業績に貢献できる。AIプロジェクトはほぼ不可避的に組織構造に影響を与えるが、それは技術的な判断ではない。自動化への投資と移行を進めれば、必ずそれまであった仕事の消滅と、自動化の運用を担う新しい仕事の創出が起きる」
ソフトウェア責任者が参加したり、率いたりするチームは今後拡大するだろう。AMDのAIグローバルマーケティング責任者であるBryan Madden氏は、「AIの飛躍的な進歩によって、AIのアルゴリズムやニューラルネットワークを開発・展開するAIスペシャリストや機械学習エンジニアなどの、新たなレベルの専門家が生まれてきている」と述べている。「AIやその導入事例は急激なペースで進化している。AIプロジェクトには、実用的、技術的な要素だけでなく、ガバナンス、政策、倫理も考慮できるような包括的なアプローチが必要だ」